ume

 

 

 

 

「松竹梅」といえば、

 

古来からめでたい植物とされていて、

 

新春には欠かすことができないものです。

 

名まえの由来には諸説がありますが、

 

「うつくしくてめずらしき」の略語からという説などは、

 

初めて見た古代の人々の情景が伝わってくるようでいいですね。

 

 

 

寒い中、香り高く気品に満ちた姿で咲く梅は、

 

椿に次いで茶花を代表する花です。

 

初春に飾られる花ですが、実際に野山での見頃は、

 

2月上旬から桜のつぼみに気付くようになる3月中旬くらいかと思います。

 

枝振りが見事な梅は特にすばらしく、

 

幾曲がりの枝が重なり合って見えるさまは、

 

艶麗さがありながらも野趣に富み、

 

それぞれの枝の個性を際立たせているかのようです。

 

 

 

 

 

ume2

 

 

 

 

学名:Prunus mume Sieb. et Zucc.

 

material:iron and brass

 

「寂美 像刻花展」八雲茶寮 2015

 

 

 

 

 

椿

 

camellia

 

 

 

ようやく冬らしい気候になってきました。

 

西日本では大雪、沖縄ではみぞれと、

 

大変なことになっていますが、皆さんご無事でしょうか。

 

 

都内では、先日の初冠雪でまあまあ白い世界を見ることができましたが、

 

見応えがあったのは雪ではなく椿でした。

 

雪をかぶってもなおつややかな葉色と、

 

深紅の輝きを魅せる花を、

 

ひときわ美しく見ることができました。

 

 

 

ひっそりと休眠する厳冬の自然の中で、

 

唯一逞しく凛々しく、溢れんばかりの生命力の輝きを放つ椿。

 

この花にはやっぱり雪が一番合いますね。

 

 

 

 

椿

 

Camellia japonica L.

 

「寂美 金属の像刻花展」出展作品(2015年)

 

 

 

 

 

 

Crocus

 

kyutai3

 

 

 

 

3月に10wattsさんにて行なわれました「球体」展。

 

僕は球根植物を3点出展していました。

 

彫刻作品にするか金属の植物作品にするか少し迷いましたが、

 

球体から生まれる生命感というか、

 

朽ち果ててもまた生まれてくる輪廻というか、

 

そういったものが合いそうな感じに思えたので球根植物にしました。

 

 

 

 

球根植物たちは、1年間地中で養分を蓄えて晴れの舞台を迎えます。

 

短い花期を謳歌する、歓びに満ちた躍動感があります。

 

このクロッカスもなんとなく踊っているようにもみえますね。

 

 

 

 

 

kyutai5

 

 

 

 

 

Crocus niveus Bowies

 

material:iron

 

 

 

クロッカスは人気のある球根植物ですが、

 

今回のはギリシャ南部に自生するものです。

 

niveusは「雪のような」という意味だそうです。

 

このところ彫刻作品ばかり制作していましたので、

 

植物作品は一年半ぶりくらいに制作しました。

 

彫刻とはまた違ったパワープレーを要するので、

 

加齢とも相まって、どんどん制作スペックがダウンしているように感じました。。

 

 

また、「球体」を開催していただいた10wattsさんですが、

 

ビルの老築化が原因で取り壊しとなるため、

 

現在の場所での営業は、7月ころまでの予定です。

 

まだ訪れていない方や横浜近辺まで来訪される予定のある方は、

 

是非お立ち寄り下さい。

 

移転先はそれまでには決まりそうですので、

 

詳細などは10wattsさんのホームページをご覧下さい。

 

 

 

http://chiku-ni.com/10watts.htm

 

 

 

 

 

 

さて、話はこっそりしたものに変わります。

 

皆さんご存知のうちのだいちゃんこと中村大介ですが、

 

インスタグラムなるものを始めてみました。

 

最初だけしかやらない可能性が大ですが、

 

ちょっとだけ覗いてみて下さい。

 

 

 

https://instagram.com/d__nakamura/

 

 

 

 

 

 

 

 

自然の中で見つけられる植物表現の昨今

 

 

昨今、植物そのものを使って作品として展覧会などをする方が増えているように感じます。

 

俗にいうお花(華道)ではなくて、

 

野山で見つけることができる木の実や種子、枯れ葉などを収集し、

 

それらをうまく融合させて、作品にしているものです。

 

だいぶ以前から普遍的なモティーフとして、

 

世界中で表現されてきた手法なのかもしれませんが、

 

着想を生かす豊かな感受性を内包していなければできない表現ですし、

 

とにかく自然に対する真摯な向き合い方が出来ていなければ成立しないものだと思いますので、

 

わあかわいい、わあすてき、がきっかけではとてもハードルが高い手法です。

 

 

 

この昨今の植物表現を見かけるごとに、

 

自然のままのものの美しさには到底及ばないなあと思います。

 

その見せ方の着想には敬服するばかりです。

 

僕も山に入っていろいろな発見をしますが、

 

もう少しちゃんと見れるように、見逃さないようにしたいと誓う今日この頃です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Geranium thunbergii Siebold ex Lindl et Paxton

 

和名:ゲンノショウコ

 

フウロソウ科フウロソウ属

 

「金属の像刻花」at GALLARDAGALANTE京都店 出展作品

 

material:iron and brass and water paint

 

 

 

 

ゼラニウムですが、一般的に園芸用として流通しているのは、

 

テンジクアオイ属(pelargonium)のゼラニウムです。

 

このゲンノショウコはドグダミ、センブリと並んで、

 

日本の三大薬草のひとつとして知られています。

 

 

 

昨年バルコニーのポタジェにカナブンの幼虫が住み着いてしまったため、

 

根を食べられてしまうという被害に遭いました。

 

そいつらを寄せ付けないためにと、いろいろ調べてこの花にいきつきました。

 

今年は木々の花や実が復活できるか不安もありますが、今から楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fragaria vesca L.

 

 

 

 

 

5月になりました。

 

さわやかな季節ですが、空が霞んでいる日が多い季節でもあります。

 

光化学スモッグに黄砂、なんとか2.5などなど。。

 

一年のうちでも数少ない過ごしやすい時節ですから、

 

少しでもきれいになっていってくれたらいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fragaria vesca L.

 

和名:ヨーロッパクサイチゴ

 

英名:ワイルドストロベリー

 

frame of metal plants : w285h400t44

 

new product

 

 

 

 

 

寒さに強く栽培しやすい実用的なハーブです。

 

皮膚やその他の疾患を治す家庭薬として昔から利用されています。

 

果実は他の園芸品種よりも小さめですが、香りはとても良いです。

 

atelier galleryのポタジェでは赤い実が付きはじめましたので、

 

今年もおいしくいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松虫草

 

 

 

 

 

 

標高2056.9m、奥秩父の名峰大菩薩嶺。

 

中里介山の長編小説『大菩薩峠』で有名なこの山では、多くの山野草が咲きます。

 

晩夏の頃には、ハクサンジャシンやヒメトラノオ、

 

ハコネギクやソバナにヤマハハコ、そしてマツムシソウが見られますが、

 

大菩薩嶺への樹林帯ではあまり見かけられず、

 

2000mを超える雷岩からの稜線上を歩くと見ることができます。

 

 

 

アルプスの高原では多くの群生地が残っていますが、

 

東京近郊で見られる場所はどんどん遠くなっていくようです。

 

いつの日かアルプスでも見られなくなってしまわないよう、

 

大切にしていきたい季節の花です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松虫草

 

scabiosa japonica Miq.

 

 

 

北海道から九州の幅広い地域に自生する日本固有種で、

 

晩夏の山地の草原に咲く二年草です。

 

頭状花序で中央は小さく、

 

周囲は唇状で大きく淡紫の花をつけます。

 

土壌によって色合いもそれぞれで、

 

真っ青なくらいのものもあれば、

 

濃紫や青紫、白に近い花も見ることがあります。

 

長野県の美ヶ原や霧ヶ峰などの高原では、

 

初秋を告げる花として、現在も群生して咲く姿を見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jasminum polyonthum Franch.

 

 

 

 

 

 

先月末にだいちゃんとシモンさんと溝ノ口の場末の居酒屋で遅めの新年会をした時、

 

久しぶりに島酒(泡盛)を飲みました。

 

どうでもいいことなんですが、僕はあまりこっちでは島酒を飲みません。

 

なぜなら、なんとなく内地で飲むよりも沖縄で飲む方がおいしい気がするからです。

 

島酒はやはり温暖で湿度が高い沖縄の風土が生み出したお酒ですので、

 

東京の、特に乾燥した冬に飲むには適さないのだとは思います。

 

ではなぜ島酒を頼んだかというのはさておき、

 

沖縄では飲み易い部類に入る「残白(残波の白)」の25度がありましたので頼みましたが、

 

案の定、何かもの足らないのです。

 

ふたりはおいしいと言って飲み続けますが、

 

僕はやっぱりしっくりいきませんので、何か良い割ものはないかなと厨房をちらちら探索しました。

 

沖縄では当たり前のように用意されているシークワサーやうっちん茶ですが、

 

こちらでは残念ながらありませんでした。

 

失望する僕は一縷の望みをかけて店員さんに「ジャスミン茶とかありませんか?」と聞きました。

 

すると店の奥から出てきたのは「さんぴん茶」のペットボトル。

 

僕はあまりの嬉しさに店員さんと固い握手をしていました。

 

 

 

 

正月明けに沖縄に帰省すると、ちょうど東京でジャスミンの花が咲く頃の気候になります。

 

僕は正月に帰れないこの数年を顧みながら、

 

ジャスミンの香りのする島酒を飲んで、親戚や友人たちのことを思い出しながら、

 

冬の東京でもいけてる島酒の割り方の発見に、ひとりにやにやしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽衣素馨

 

Jasminum polyonthum Franch.

 

モクセイ科ソケイ属の蔓性常緑灌木

 

 

 

香りが良く、うすいピンクがかった白い五光星のような花をつけ、

 

おもに観賞用植物として栽培されています。

 

ジャスミン茶として使用されるのは主にアラビアジャスミン(茉莉花)ですが、

 

この花は見た目も良く、お茶の上に香り付けとして重用されています。

 

 

 

※「さんぴん茶」とはジャスミン茶の中国語「香片茶 (シャンピェンツァー)」から転じた名称です。

 

沖縄でもっともポピュラーなお茶です。

 

しかし沖縄では「さんぴん茶」で島酒を割る人はあまり多くはないようです。。

 

北部のリゾートホテルなどでは、お茶やお酒にこの花が香り付けに入れられていて人気のようですが。。。

 

 

 

 

 

 

 

The Herbal Leaves (fallen leaves of 37 kind of herbs)

 

 

 

 

 

 

「金属の像刻花」で制作した大判の作品は、花ではなく37種類のハーブの葉っぱでした。

 

複数葉がついている種も見栄えがして良いのですが、

 

一葉一葉もそれぞれよく見るととても個性的です。

 

 

 

 

 

 

右からHedera helix(アイビー)、Cichorium intibus L.(チコリ)、Melissa officinalis(レモンバーム)、

中段Thymus L.(タイム)、Borago officinalis(ボリジ)、下段中央Symphytum officinale L.(コーンフリー)、

Anchusa officinalis(アルカネット)

 

 

 

 

 

 

右からTribulus terrestris(ハナビシ)、Artemisia lactiflora Wall.et.DC(ホワイトマグワート)、

中央Alchemilla alpine(アルパイン・レディスマントル)、S.n. Guincho purple(パープルエルダー)、

Angelica archangelica L.(アンジェリカ)、下段Cedronella canariensis(バーム・オブ・ギレアド)、

Echinacea purpurea(ムラサキバレンギク)、Fragaria vesca(ワイルドストロベリー)、Rumex scutatus(フレンチソレル)

 

 

 

 

 

 

Citrus bergamia(ベルガモット)

 

 

 

 

 

 

The Herbal Leaves

 

the fallen leaves of 37 kind of herbs

 

W1400H800T50/24kg

 

「金属の像刻花」出展作品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細葉山母子

 

 

 

夏山に年々加わる混雑に辟易させられる意識の反動からか、

 

静かな季節の山へと気持ちが赴く初秋の頃。

 

そこはかとなく夏の名残をとどめているこの季節には、

 

微妙で繊細なドラマが待っている。

 

 

 

立山雷鳥沢に向かう途中に、

 

山母子の群生が見られる場所がある。

 

この花の白い花びらに見えるのは総包片で、

 

花弁は中央に散房状に開いた黄色い頭花である。

 

種小名にあるmargaritaceaは、

 

「真珠のような」という意味を持っている。

 

 

 

去りゆく季節と迎える季節が同居し、

 

時に棲み分けて融け合い、

 

交じり合う初秋の日暮れ。

 

あかあかと夕陽が照らし、朱に燃えるくさむらの中、

 

静かに寄り添う真っ白で小さな山母子たちは、

 

その名の通り、真珠のような輝きを見せる。

 

キンとした澄んだ空気が舞い降りる紫紺の稜線とともに、

 

しっかりと季節を呼び、

 

ひっそりと秋の山路を飾る季節のコサージュ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細葉山母子

 

Anaphalis margaritacea var. angustifolia

 

『金属の像刻花』出展作品

 

frame of metal plants : w285h400t44

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『金属の像刻花』

 

昨日中日のアロマテラピーワークショップも大変盛況をいただきました。

 

どうもありがとうございました。

 

 

 

会期中盤は本日15日、明日16日(月)のオープンとなっております。

 

慌ただしい年末の時期ですが、

 

ご興味の方ございましたら是非ご覧頂ければ幸いです。

 

 

 

展示会DMなどの詳細は下記をご覧下さい。

 

http://specialsource.jp/myblog/2013/11/25/「金属の像刻花展」/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷺草

 

 

 

今から約6500万年前、恐竜をはじめとする多くの生物が地球上から姿を消したK/T境界。

 

これを機に劇的な分化を経て、地球上の植物の中で最も多様化が進み、

 

現在の植物相においてキク科と並び繁栄を極める植物がランです。

 

17世紀から19世紀にかけて多くのランの種が発見され、

 

世界各地で乱獲が相次ぎ、現在では絶滅危惧種が最も多い植物ともなっています。

 

 

 

鷺草は日本に自生するランのひとつです。

 

その名の通り、白鷺が羽根を広げ、飛翔しているかのような姿をしています。

 

その特異な造形美のため、この花も多くの美しいランと同様に、

 

自生地が非常に限られる絶滅危惧種です。

 

 

 

 

花たちが持つ独特の不思議な造形には、いつも感心させられます。

 

もちろん鷺草は名付けられるずっと以前から、その姿で咲いていた花ですが、

 

どうやってこのかたちへと行き着いたのか、とてもロマンを感じさせてくれる花です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷺草

 

Habenaria radiata Thunb.

 

『金属の像刻花』出展作品

 

solid metal plants:h275,t9x100steelbase

 

 

 

 

 

 

 

先日DMを発送いたしました。

 

都内では中目黒のGEODESIQUEさん、HIKEさん、atelier cabaneさん、

 

白金台のGASA*さん、吉祥寺のshawn&meguさん、銀座のmokuhonさん、浅草橋のsyuroさん、

 

名古屋ではcarafeさん、haseさんに置いていただいております。

 

 

 

また会期中に行なうワークショップへのご参加は、引き続きお待ちしております。

 

http://specialsource.jp/myblog/2013/11/22/12月のatelier-gallery-workshop-2%E3%80%80『アロマテラピー』/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 2024年5月
    « 4月    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • 新着記事

  • カテゴリ

  • 過去ログ

  • 画像及びテキストの無断使用は固くお断り申し上げます。

    Copyrights©2012 All rights reserved by special source & hot stuff associates