5月のatelier gallery、高里千世展「正直という牙」。
無事会期を終えました。
10日間つづけてオープンするのは1年に一度のことですが、
長いようで短い10日間でした。
ご来場していただいた皆さま、どうもありがとうございました。
「torso」
atelier galleryも3年目を迎えていますが、
こうして作品を発表できる場所があるというのは、
作家として制作へのモチベーションに大きく関わることですので、
とても大事なことだとつくづく思います。
友人知人の作家たちの一番の問題は、
そこそこのキャリアがある人でもやはりそこです。
僕も同じように、なかなか発表の場を得られずに苦労していました。
今もまだそこまで広く理解されていませんので、
まだまだ地道な努力が必要だと痛感する毎日です。
atelier galleryのオープン日はとても少ないのですが、
これからもその一日一日を大切にしていきたいと思います。
来月6月のatelier galleryは常設展となります。
お時間ございましたら、お立ち寄りください。
カテゴリー:atelier gallery,exhibition
投稿日:2015年5月17日 14:13
新緑の山へ。
眩いばかりの緑がそこかしこで輝いている。
空の青との鮮やかなコントラスト。
新鮮な空気に囲まれていることを実感しながら登山道を進む。
足下ではタチツボスミレが可憐な花を咲かせていた。
高度を上げていくと芽吹き始めた樹々たちが、
日差しへと目一杯の背伸びをしているようにみえる。
さらに高度を上げると樹々の間から富士山が見えてくる。
この季節にこれほどまでに雪がない富士山はあまり記憶がない。
ピークハンターはピークを探す。
この大菩薩嶺のピークは樹林帯にあり、
眺望がきかないピークのため、
ピークハンターは少々戸惑い気味。
それでも稜線からは南アルプスが連なっていた。
3,000Mの巨大な山の塊が連なる姿は、
こうして遠くから眺めてみても、やはり大きな壁のように見える。
午後からのゆるい登山のため日暮れはかなり早い。
気持ちの良さそうな稜線を足早に下りていく。
夕暮れ前の落ち着いた日差しの中でも、
緑はとても輝いていた。
生命が躍動する季節は、みんなが楽しそうで、
そしていつも忙しくて賑やかなようだ。
カテゴリー:山
投稿日:2015年5月15日 16:58
「yellow」
一見して黄色なんてどこにも見当たらない。
二人の顔のない人物が走っていて、その横には数字が書かれている。
説明するのが簡単ではない(説明するものではない)芸術作品を観る私たちの思考には、
いつも紆余曲折したものが存在しているように思われます。
時には、内面における意識のありようの変化に留まるものではなく、
ものの見方や認識を改めることによって、
世界に対する心構えや人間関係までが一新されたような思いになることもあります。
それは、芸術が知識や経験といったものを、
量的に積み重ねていくことで成り立つものではないからなのでしょう。
一般的に物事を積み重ねていく集積という概念は量的なものですが、
芸術に関しては量が増加していくという考え方ではなく、
一貫した脈絡にあって完成度が高くなっていくところに拓かれていくものだと思います。
霞んだ行く先や今感じた瞬間、それぞれが連関していく「これまで」と「これから」。
変化や移ろいの中では不明だった理由や見通しが明らかになっていくのは、
芸術が持つ知識や経験の展開という成長性が、
観る側の私たちにも感じられるからではないでしょうか。
そんな「展開」していくものとして、
僕はこの「yellow」をはじめとする今回の作品を観ていました。
「赤い耳」
5月のatelier gallery、高里千世展「正直という牙」。
好天に恵まれた大型連休を終えて、会期後半を迎えました。
ご来場いただきました皆さまどうもありがとうございます。
皆さんにゆっくりとご覧頂いていまして、
いろいろなお話しができてとても良い時間を過ごせています。
会期は11日(月)までとなります。
お時間ございましたら是非お立ち寄りください。
高里千世 個展
「正直という牙」
会期:2015年5月2日(土)〜11日(月)
open:12:00〜19:00 会期中無休
会場:special source atelier gallery
http://lucchi.jp/diary/
カテゴリー:atelier gallery,exhibition
投稿日:2015年5月9日 11:27
不穏と静けさの中に佇む人は
あなたのように見えて、私のように見えて、
全くの知らない人。
5月のatelier gallery、高里千世個展「正直という牙」。
本日2日(土)より始まりました。
今回は「正直という牙」というテーマと、
冒頭のセンテンスに何かしら引っかかるものがあると、
友人からメールがありました。
僕もはじめに聞いたときは、確かに何かしらがあるのを感じていました。
作家が見つけ出した自分の言葉というものは、
何かしらの突起物や凹みのようなものを擁しているもののようで、
ふとした瞬間にハッとさせてくれるもので、好奇心を誘います。
「正直という牙」という言葉とそのセンテンスは、
一見シュルレアリスムの詩の一節のような響きを持っていますが、
抽象的な非現実感も供与されうるものなのかもしれません。
不穏と静けさの中に佇むのは誰か。
幾重にも折り重なった知覚の階層は霧にのまれ、
波立つ水面に映る姿のように輪郭はない。
感じられるのは、自分にしか見えない何かが確かに存在することだけ。
お時間ございましたら、是非ご覧下さい。
atelier gallery1階エントランスに設けましたギャラリースペース。
取り外し可能なパーテーションの空間ですが、結構本気で作りました。
高里の「球体」への抽象画を数点と、
金属の植物作品11点、彫像も2点展示しています。
高里千世個 展
「正直という牙」
会期:2015年5月2日(土)〜11日(月)
open:12:00〜19:00 会期中無休
会場:special source atelier gallery
http://lucchi.jp/diary/
カテゴリー:atelier gallery
投稿日:2015年5月3日 12:19