大山蓮華
たいへん清楚で気品があり、初風炉の茶花の代表的な大山蓮華。
深山でしか見られない花です。
やや下向きに咲く花の周りは芳香で満たされ、
清々しくみずみずしい初夏の薫りを感じさせてくれます。
僕が出会ったのは午前の遅い時間帯でしたので、
朝霧に浮かぶような幻想的な風景ではありませんでしたが、
樹々たちの隙間から注ぐ陽の光を浴びて、
真白の蕾も初々しく、また花期を過ぎた枯れ花も奥ゆかしく、
それぞれが新緑に映え、美しさを際立たせていました。
大山蓮華
Magnoria sieboldii ssp. japonica
モクレン科モクレン属の落葉広葉樹低木
関東以西の山地の林床部標高1000〜2000Mに自生する種です。
関東で有名なのは赤城山山麓にある赤城自然園、
関西ではその群落が国の天然記念物となっている大峰山、
九州も自生地が多く残っています。
他にも自生している株はいくつか存在し、各自治体が管理していますが、
盗掘が絶えず、個体数は減少の一途を辿っています。
大山蓮華(2017 自然礼賛)