シロチョウ
翅(はね)はきれいなままでも、死んでいる蝶の身体はしぼんでいます。
それは標本を見るとよくわかります。
一般的に標本は、翅を見て研究、観賞するものなのでしょう。
生きている蝶の身体は、標本の倍近くはあって、しぼんではいませんでした。
名前のわからない白い蝶を見つけました。
静かに朽ちていく身体の先には、粉をふくように 白さが増していく翅。
わずかながらに残る生命の鼓動が、朽ちゆきてもなお、
その身体をふくよかに、その翅をみずみずしく見せてくれるのでしょうか。