上高地はとても明るい雰囲気で大好きな場所です。
1時間歩けば明神のイワナ料理、また1 時間歩けば徳沢のソフトクリーム、
さらに1時間行けば横尾山荘のスタミナ丼。
梓川沿いの林道歩きはとても長いけれど、
千手岩菲や山紫陽花など色とりどりの花たちを眺めながら、
お腹も満たされるという、至福の時間が待っています。
さて、横尾からは本格的な山路です。
橋を渡れば穂高連峰と圏谷が織りなす本場アルプスのような景観が待つ涸沢、
直進すれば日本アルプスのランドマークとしてそびえる槍ヶ岳へ向かいます。
そして涸沢はおでんと生ビール、槍ヶ岳山荘は焼きたてのパン。
僕はついつい橋を渡って涸沢に行ってしまいます。
今年は槍に向かえるかどうか、また秋にご報告いたします。
千手岩菲
Lychnis gracillima Makino
ナデシコ科センノウ属
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Flora of Tystnad 植物誌出展作品
東北から中部地方の亜高山帯や林縁に生息する花です。
上高地では、徳沢から横尾までの間で見つけることが出来ます。
真夏の太陽が直接当たるか当たらないかという場所に咲いていました。
とても優雅で美しい立ち姿の美人さんで、
風に揺られて涼しげで気持ち良さそうでした。
カテゴリー:未分類
投稿日:2019年1月27日 20:24
十数年前、ビンテージ家具を扱うhikeさんに置いてあった田淵行男さんの本。
「山の意匠」。
ゆっくりページをめくっていくと、
自分の前に新しい世界が開かれてくるのを強く感じました。
静かに湧き上がる感動が全身を包み込み、
人生を大きく変える一冊の本と出会うという、
生涯忘れられない貴重な体験となりました。
そのまますぐに神田の古書街へ向かい、
その「山の意匠」と、「山の季節」「安曇野」「浅間八ヶ岳」を手に入れました。
僕もお弟子さんの水越武さんと同じで、
山や植物や蝶の美しい写真ではなく、
田淵行男さんのストイックな姿勢に強くひかれました。
生命への親愛の思いが溢れていて、
写真集というよりは、確かに博物誌のように感じました。
水越さんが「山の季節」で、
『先生は山の自然をリアルに直視して、
それらをストレートに記録する作業をしていた』と述べられていました。
僕はこれにならって山に入り、目にしたものを作るようになりました。
その後数年をかけて「日本アルプス」「尾根路」「黄色いテント」「山の手帖」、
そして「高山蝶」などほとんどの著書を入手し、残るすべてを今でも探し続けています。
先日日曜美術館という番組で、田淵行男さんが取り上げられていました。
ご覧になった方も多いかもしれません。
田淵さんの本を初めて手に取ったあの時を思い出しながら、
改めて生涯の師となった田淵さんの本を読み直す毎日ですが、
まだまだまだ自然への愛が足らないなぁと思う今日この頃です。
カテゴリー:未分類
投稿日:2019年1月21日 11:21
僕が深山に入って受け取ってきたものは、
ある人にとっては些細なもので、気に留めることのないものですが、
またある人にとっては心を震わせるもので、かけがえのないものになるかもしれません。
そんな些細なものに人生を捧げた人物がいました。
日本植物学の父、牧野富太郎先生です。
昨年の香川での展に併せて早朝の便に搭乗して、
高知県の牧野富太郎植物園に行ってきました。
僕はおもに日本の野草を制作していますので、
牧野先生が命名された植物を一番多く制作しています。
次いでカール・フォン・リンネ、次いでマキシモビッチです。
牧野先生とマキシモビッチの交流や須川長ノ助さんのことなど、
とても興味深く拝見しました。ありがとうございました。
僕はまだまだ植物に対しての愛が足らないなぁと思いました。
カテゴリー:未分類
投稿日:2019年1月14日 16:11