幻視の中で天国に運ばれ、聖母の導きによってイエスと婚約したとされる聖カタリナ。
多くの聖人たちと同じように、若くして非業の死を遂げ、殉教しました。
数えきれないほどの伝説が語り継がれる中で、
カタリナは歴史家たちにその実在を否定され、理想化された偶像だったとみなされていました。
彼女が本当にイエスの妻になったのかは証明されていませんが、
像を彫り終えてみて、確かにすべてにおいてふさわしい女性であったと思えます。
先入観がなるべく入らないように、彼女の容姿が描かれた宗教画や言い伝えなどは、
ほとんど目に入れないようにしていました。
目の詰まった濃桃色をした桜の樹を前にして、
ただ趣くままにノミを入れました。
すべての不正や不公平さを赦す心の優しさと慈愛に満ち、
凛とした眼差しで未来を見つめる光への揺るぎなく深い信仰。
僕には到底備わっていない、強く、気高い姿に惹かれ、
今回、この聖カタリナをはじめとする聖人を彫りました。
「光の祈り」にて、そんな彼女たちの思いに触れてもらえることができたのであれば、
作り手としてこれ以上の喜びはありません。
St. Catherina de Alexandria
AC287 – 305
2014年の締めくくりとなりました「光の祈り」。
年末のお忙しい中お越しいただきましてどうもありがとうございました。
今回の彫像作品はすべて迎え入れていただくことになりました。
たくさんの方にご来場していただくような展覧会ではありませんが、
ご来場していただいた方々が、時間をかけて彫像たちを見つめているのをみて、
良い展覧会だったなと思っていました。
どうもありがとうございました。
2015年も皆さまにとって、優しさと慈愛に満ちた一年でありますように。
カテゴリー:atelier gallery,exhibition
投稿日:2014年12月29日 23:09
Blue alis angel 青い羽の天使 / Trust 信頼
12月のatelier gallery「光の祈り」。
会期前半を終えました。
今回は彫刻作品を主体とした展覧会となっていますので、
植物作品の時とは違い、だいぶ静かな雰囲気でご覧頂いています。
約6年ぶりとなった今回の彫刻展。
会期が始まるまではかなり不安でした。
6年前もだいぶ静かな展覧会だったこともあって、
集客の不安もあり、受け入れられるかという不安も多々ありました。
まあ、今回も前者は相変わらずですが、
後者は前回と違っていて、自分でも予測していなかったほど、
皆さんに喜んでもらえているようなので、とてもほっとしています。
自分たちで空間を作り、作品を作り、いろいろな展示をしてきましたが、
今回のような見せ方ができるようになって、
また違った側面を引き出せる可能性が感じられる展覧会になりました。
St. Agatha 聖アガタ / Forgiveness 赦し
今回の展示構成は、2ヶ月くらい前には決めていたのですが、
今回のコンセプトでは、彫像には背景が必要だと考えていました。
イメージでは抽象画的な画がすぐに頭に浮かんできましたが、
なかなかどうして、僕にそんな画を描く才能はありません。
まったくオリジナリティーを出せそうになくギブアップ。高里にお願いしました。
すると、ファーストペインティングからなんとも素晴らしい画が出来上がり、
全部の画を高里に描いてもらうことになりました。
彫像の背景ではなく一枚の画として、じっくりとご覧頂ければと思います。
taught of the mount 山上の教え
会期は残すところ今週末20日(土)から23日(火)までの4日間となります。
週末は天気が崩れる予報となっていますので、
会期前半と同じく静かにご覧頂けるかと思います。
また、京都で開催されている「金属の像刻花展」は、
会期が来週の25日(木)までとなっています。
関西方面での展覧会の機会はほとんどないので、
近県の方はこの機会にご覧頂ければと思います。
カテゴリー:atelier gallery,exhibition
投稿日:2014年12月18日 12:27
明日の13日(土)から開催させていただく12月のatelier galleryは、
「光の祈り」と題しまして、彫刻作品を主体とした展覧会になります。
今年は年明けからANDAZ TOKYOさんのアートワークにはじまって、
夏のhaseさんでのスペソー展、atelier galleryでの高里との「design of alpine」、
そして現在京都のGALLARDAGALANTEさんで開催させていただいている「金属の像刻花」と、
かなりたくさんの植物作品を制作しました。
この頃になってわずかですが、金属の植物作品が認知されつつあるのかなと思えるようになった一年でした。
今回の個展は、その反動というわけではありませんが、
植物作品が生まれる以前のような、彫刻の展覧会を開催したいと考えていました。
そんな中、京都での個展のお話しをいただき、
作品は植物を主体にというご要望もあって、
今回のatelier galleryでの個展は京都と被らないように、彫刻でいこうということになりました。
僕の場合の彫像といえば精霊ですが、
コツコツと彫りためていた制作途中の作品の多くが聖人でしたので、
精霊よりも人に近い像の作品が大半を占めました。
なぜ聖人かというと、6年前の展覧会で制作していまして、
だいぶしばらくぶりになってしまいましたが、好きなモティーフなんです。
寛容さと尊厳を持ち、浄化と赦しを与えてくれるような像を彫れたらと思いながら制作しました。
St. Francesca / The inner red
聖フランチェスカの背景は、高里の描いた抽象画「内なる赤」です。
金属の植物作品を制作するのと同じ工程、技法を用いて描いています。
生命は赤いものによって保たれているというコンセプトです。
血であったり、心臓であったり、情熱などの感情であったり、
絶え間なく流れる内なるものを表現しています。
もうひとつの画像はオリーブになります。
今回は金属の植物作品は7つほどになりましたが、
聖なる植物とされているものを制作しています。
2014年も残すところあと少しとなりました。
毎年のことながら、一日もゆっくりできないようなお忙しい日が続いていると思いますが、
今回もどんな方々にお会いできるのか、どんな反応をいただけるのか 大変楽しみです。
皆さまのお越しを心よりお待ちいたしております。
モリソン小林個展
「光の祈り」
会期:2014年12月13日(土)〜15日(月)、20日(土)〜23日(火)
11:00 〜 19:00
会場:special source atelier gallery
カテゴリー:atelier gallery,exhibition
投稿日:2014年12月12日 15:42
日夜地上を照らす天体の光
混沌の中から現れる希望の光
すべての成長をあたため 闇を浄化する光
この世界を映し出す 光の祈りを表現いたします。
atelier galleryでの年末の個展は今回で3回目となります。
今回は「光の祈り」というテーマで、聖人や聖なるものをモチーフに制作しています。
作品は彫像を十数点と、少ないですが金属の植物の作品を5、6点出展いたします。
聖なる植物です。ご想像通りのものになるかと思います。
また、高里が制作している抽象画の錆画も素晴らしい彩りを添えてくれています。
お時間ございましたら、是非ご高覧ください。
モリソン小林個展
「光の祈り」
会期:2014年12月13日(土)〜15日(月)、20日(土)〜23日(火)
11:00 〜 19:00
会場:special source atelier gallery
カテゴリー:atelier gallery,exhibition
投稿日:2014年12月5日 13:36