ソフィーの世界
黄金長方形から短辺を一辺とする正方形を取り除くと、残る部分はまた黄金長方形となる。
これを繰り返すと、黄金長方形は無限個の正方形で埋め尽くされる。
黄金比率に関しての著書をいくつか読んだことがありますが、
黄金比は、歴史的建造物や美術品に限らず、植物の葉や巻貝の中などの
自然界にこそ、多くの美しい黄金比を見つけることが出来ます。
この数学的な美意識は、自然哲学や数学などにおける空間の概念から、
神学的な世界観なども包容して、多くの芸術家に、表現の美をもたらしています。
植物を観察するにあたっても、いろいろな数の存在に遭遇します。
花の花弁の数には、じつに奇妙なパターンが存在しているんです。
ほぼすべての花について、花弁の数は3、5、8、13、21、34、55、89という
奇妙な数列のいずれかの数の一つ、またはそれぞれの倍数が多いようです。
たとえば、ユリの花弁は3枚か6枚、キンポウゲは5枚、多くのヒエンソウは8枚、
マリゴールドは13枚、アスターは21枚、ほとんどのデイジーは34枚か55枚、もしくは89枚です。
これらの数字には明確なパターンが存在しています。
少し頭をひねらなければそのパターンはわからないのですが、
いずれの数字も、その前の二つの数字を足したものになっています。
これはフィボナッチ数列と呼ばれているもので、
再帰的プログラミングの例題としてもよく使われています。
ですが、この数列は人が心の中で描いただけでなく、自然の中に存在しているものです。
もちろん「数」は人の発明ですが、この「数」で世界を覗くと世界の不思議な姿が見えてきます。
数は数だけであるのではありません。
数えられるためには、物・事を分けて考えなければいけません。
抽象することで物・事の背後に隠されている何ものかが見えてきます。
この何ものかを発見し、表現する。
そして、その発見はいつも美しいものです。
ソフィーは、自然界が生み出す深層美がそこにあることを、知っている人です。
そんな彼女の、自然の中にある様々な不思議を意味するラテン語「Milabilia Naturae」をテーマにした
ブランド『CVM PATIENTIA(クン・パシエンシア)』の日本で初めての展示会が、
中目黒は青葉台にあるGEODESIQUEにて開催されています。
『CVM PATIENTIA(クン・パシエンシア)』は彼女らしく、
ゆっくりと時間をかけるという意味だそうです。
彼女の世界に惹き込まれて、感心させられる展示会です。
会期は3日間延長されまして、5月2日までとなっております。
皆さんもお近くにお越しの際は、訪れていただければ幸いです。
詳細はGEODESIQUEサイトをご覧下さい。
http://www.geodesique.co.jp/news/index.php