黎明の時
夜が終わり、まだ太陽が顔を出さない時
強風にさらされる稜線で、決して過ごしやすいひとときとは言えない時
雷鳥たちがそわそわと歩き出し、植物たちがその穂先を上げる時
それは、新しい何かが始まる胎動に心震える黎明の時。
僕はご来光の時よりも、この時間がとても好きです。
何もかもがはっきりと見渡せるわけではない、ほの暗いシルエット
静寂の中で感じられる生きものたちの鼓動
自然にすべてを委ねながら、膨らむ期待をじっと蓄え
確かな一歩を踏み出すためにある黎明の時。