相模上臈杜鵑草
こんにちは。
9月中旬となりました。
この時期にしか咲かない花といえば、
地元の神奈川県では、サガミジョウロウホトトギス一択ではないでしょうか。
普通に登山をしていたら絶対に通りすぎてしまう場所に自生しています。
それにしても美しいです。
艶のある黄色の花びら、末広がりに伸びる葉、
岩壁から垂れ下がる風情。
ホトトギスというと花の内側の模様が独特ですので、
好みが分かれるかと思いますが、
この種は花が開かずに釣鐘状になっているため、
外からは模様が見えません。
上臈という名の通り、気品漂う高貴な印象を受けます。
素晴らしいです。
丹沢のヤビツ峠から、
ヤマケイアルペンガイドの工程で3時間くらい登ったところになります。
結構な崖で足場の幅が15cmくらいしかないところですので、
滑落に十分に注意する必要があります。
以前はもっと下の方にたくさん自生していたのですが、
鹿が食べてしまうんですね。
現在は鹿たちの届かないところにひっそりと咲いています。
本当にだいぶ少なくなってしまいました。
相模上臈杜鵑草
サガミジョウロウホトトギス
Tricyrtis isiiana Ohwi
ユリ科ホトトギス属
絶滅危惧IB類 EN
size A3L :W282 H587 T44 / 4.0kg
神奈川県丹沢山塊のごく一部の湿った岩場に自生します。
自生地は非常に少なく、環境省のレッドデータでも絶滅危惧IB類に指定され、
近い将来に絶滅する可能性が非常に高い種になっています。
神奈川県では数少ない大変貴重な固有種のひとつです。
葉の先端から花を二つから四つ、
3枚目か4枚目の葉から一つ二つ花がつく株が多いように見受けられます。
葉の途中から分岐して出た葉の先端に花がついていた珍しい株もありました。
山梨県の毛無山に自生するスルガジョウロウホトトギスがありますが、
僕には区別がつかないです。同じ種にしか見えません。
外の花弁の先端にあるトゲが、
サガミの方が黄色で短く先端が丸く、
スルガの方が緑でやや長くて尖っている?のかなと思いましたが、
個体差によるものだとも思いますので、
実際のところよく分かりません。
元々同じ種で丹沢から富士山周辺に自生地があったのが、
噴火によって分離されたのではないかと考えています。