北八ヶ岳
秋の北八ヶ岳。
静かな森へ。
錆色に輝く羊歯は、
朽ちてもなお力強く葉を広げていた。
森林限界を越えるとガスとともに冷たい風が、
荒々しい岩稜とともに立ちふさがる。
標高2,500Mを越えて、
この世のものとは思えない光景が広がり、ただ立ちすくむ。
そんな時でも笑顔のピークハンター。
山小屋の営業も終わりが近い。
結局今年の山行は2回。近年では最少に終わった。
アルプスはおろか山の中で1泊もできず、
身体の時間軸が自然と隔絶されていく。
昼食を終えるとガスが晴れていた。
空が近く、蒼が深い。
下山時に見るなだらかな山々は、
いつでも穏やかな気持ちにさせてくれる。
アルプスでは、季節はシーズンを終え雪山に入った。
頑張っても結局シーズンに行けないのなら、
厳冬期のアルプスに本気で挑んでみようか、
と思わずにはいられない、
消化不良の2015年の登山シーズンでした。