スプリングエフェメラル
冬にすべての葉を落とす落葉広葉樹林では、寒いながらも陽射しが良く通ります。
そのおかげで落葉に覆われた林床はあたたかく、春を訪れを待つ植物たちが、
地中で花を咲かせる準備を始めます。
しばらくして残雪が消える頃、小さな花を咲かせて、ギフチョウやウスバアゲハ、
そしてマルハナバチたちと、つかの間の春を謳歌します。
しかし花はすぐに終わり、葉だけの姿になって光合成を急ぐと、初夏の頃には葉も枯れ、
地上からその痕跡を消します。
そして、球根だけの姿になって、土の中でひっそりと、次の春を待つのです。
それらの植物のことを「スプリングエフェメラル」と呼びます。
直訳すると”春の儚いものたち”ですが、日本では”春の妖精”の方が一般的だそうです。
ephemeralという言葉は、Wikipediaなどでは、ほんの短い間だけ存在する生命を、
肯定的に受け止めるニュアンスを持つ、芸術的、文学的な言い方とあります。
僕ら日本人が桜に対して持っている感情もそうですが、わびさびという独特の感覚が、
エフェメラルなのではないでしょうか。
さてatelier galleryですが、今週土曜日の9日から11日の月曜日までの3日間にOPENします。
皆さまのおかげで、年末の「There by the Grace of God展」での作品が、
ほとんどなくなってしまいましたので、少量ですが制作しました。
スプリングエフェメラルのA1のwide sizeを1点、樹脂を4点、
木枠の作品はA5ほどの小さいものを3点です。
one-offでは、銅版画のプレス機や紙、道具などを一式収納できるワゴンと、
天板と脚を分けられるテーブルを制作しました。
お時間ございましたら、どうぞお越し下さい。