『3+Re2』vol.1 material aging
先日の8月28日の日曜日に、『3+Re2』GASA*concept room (スリートゥリー)が、
無事オープンしました。
何回かに分けて、『3+Re2』の紹介をしていきたいと思います。
はじめに、『3+Re2』に独特の雰囲気を作り出しているエイジングについてです。
金属のエイジングと言うと、錆させるわけですが、
そこからいくつかの工程を入れなければ、
良い仕上がりにはなりません。
完璧にコントロール出来るようにと、
様々な実験でレシピを採りましたが、
最後の最後は自然の朽ち方に委ねるしかない、
というのが、今の考えです。
その方が奥行きがあって、表情も良いんです。
でも、手をしっかりと加えなければ、自然は導いてくれません。
こういった鉄や真鍮などの金属で仕上げている壁面を
見かけることも少なからずあると思いますが、
それぞれの仕上げの工程を想像してみるのも、
エイジングの本質を理解するいい手段だと思います。
エイジングは、「経年劣化」させるということです。
塗ったり削ったりするだけでは表現出来ません。
「エイジング風」とは大きく違いますので、
くれぐれも注意して欲しいと思います。
水道管の亜鉛メッキが施されている「白管」を
什器やハンガーラックなどに使用しているお店をよく見かけます。
亜鉛メッキをエイジングする方法は4種類ありますが、
メッキの厚みなどでバラツキが出るためか、
難しい仕上げのひとつです。
色を塗り重ねたり、錆びさせたりする以外にも、
古く年季が入っているようにする方法として、
「ほこり」と「自由曲線」があります。
「ほこり」が積もっているように見えれば、古く見えます。
また、直線で納まるものを、「自由曲線」で納めれば、
年季が入っているように見えます。
『3+Re2』では、すべての什器に、
「ほこり」と「自由曲線」があります。
この仕上げに関してだけは、難しい側面があります。
やってくれる業者さんが基本的にはいないということと、
かろうじて出来そうな職人さんがいても、
とんでもない見積になってしまうので、実現出来ない、
また、定期的なメンテナンスが必要ということで、
敬遠してしまうのが実情なんだと思います。
「アイデア」が良くても形にならないのは残念なことです。
考える人たちの斬新な「アイデア」が、イメージ通りに表現できることは、
ごく僅かなんだと思います。
『3+Re2』の一つめの「見たことのない」は、これらのエイジング仕上げでした。
どれもここでしか見れない仕上げです。
興味があって、オリジナルを追求している方には、
是非見ていただきたいと思います。