奥多摩 初冬
季節は冬に入り、降雪も間近。
東京都の最高峰へ。
都内近郊、随一のロングコース。
長く続く樹林帯の勾配を、ひたすら登り続ける。
大きくそびえる富士山。
2,800Mからは白銀の世界のようだ。
樹林帯を抜けるとさらに勾配がキツくなるが、
眺望の良い稜線では、疲れていても脚は前へと進んでいく
山頂が近づくとガスが広がりはじめた。
そんな時でもピークハンターは笑顔を絶やさない。
こんな時の山頂での温かなカップラーメンは、
星のついた店のどんな料理よりもおいしくてありがたい。
下山を始めるとガスで夕陽が拡散して、
とても幻想的だった。
樹林帯に入り、予定下山時刻まであと2時間というところで、
上弦の月が昇り、夜の帳が下りた。
真っ暗な登山道を1時間で駆け下りた代償は大きかったが、
澄んだ空気と枯れ葉の香りを充分に堪能できた、初冬の奥多摩だった。