黄花稚児百合

 

黄花稚児百合

キバナチゴユリ

Disporum lutescens Koidz.

ユリ科チゴユリ属

日本固有種

観察地:阿蘇山

 

白花のチゴユリに似ていますが、

細部で違いがいくつもある種です。

近畿地方、四国、九州に分布しています。

阿蘇山の麓は植生が豊かで、九州では特に魅力的な山域です。

綺麗な馬たちが走り回り、牧歌的な景色も見られます。

この山域ではキスミレが代表的な種かなと思っていますが、

他にもたくさんのスミレが自生しています。

九州というとミヤマキリシマのピンク色が思い浮かびますが、

阿蘇はイエローというイメージがあるのは、

キスゲやキスミレ、そしてこのチゴユリから来るもののようです。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

八ヶ岳黄菫

 

八ヶ岳黄菫

ヤツガタケキスミレ

Viola crassa Makino var. yatsugatakeana T. Shimizu

スミレ科スミレ属

準絶滅危惧種NT

日本固有種

観察地:八ヶ岳横岳

 

高山のスミレViola crassaは4種あります。

北海道はエゾタカネスミレ、東北はタカネスミレ、

北アルプスと中央アルプスにはクモマスミレ、

そして八ヶ岳特産のヤツガタケキスミレです。

八ヶ岳はアクセスが良く、ピークまでの所要時間が短く、

山小屋が充実していて、とても登り易い山域です。

しかし高山植物となると、横岳への登山一択になるかと思います。

横岳への道のりは連続する岩場とハシゴでなかなか難しいものになります。

赤田岳へ向かう人の方が多いのもうなずけます。

横岳のお花畑はとても小さく、岩場の陰に隠れるようにひっそりと咲いています。

過酷な環境下にあるためか、非常に希少な種が多く、

それらが譲り合うように順を追って花を咲かせていきます。

まるで地中で手を取り合って意見交換をしながら、

スケジュールを組んでいるかのように感じられます。

ここが八ヶ岳の奥深さが感じられる場所だと常々思います。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

早池峰薄雪草

 

早池峰薄雪草

ハヤチネウスユキソウ

Leontopodium hayachinense Hara et Kitam.

キク科ウスユキソウ属

絶滅危惧IB類EN

日本固有種

観察地:早池峰山

 

岩手県の早池峰山特産種で、高山帯の蛇紋岩地に自生しています。

希少なエーデルワイスです。

早池峰山はお花畑に大きな岩が点在する美しい山です。

この山域は遠野物語の舞台となっているエリアで、

昭和初期までニホンオオカミやライチョウなどが生息していたと、

まことしやかに囁かれていた秘境でした。

現在でもその神秘さは健在で、

さすがにライチョウは難しいかと思いますが、

ニホンオオカミに関しては、存在していてもおかしくないと本気で思っています。

山頂が見えてきた辺りの景色が特に素晴らしく、

日本ではないような感覚さえ覚えます。

日本に自生するウスユキソウは8種類ほどあるかと思いますが、

その中で最もヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスに似ている種が、

このハヤチネウスユキソウになります。

環境が似ると姿も似てくるのでしょうか。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

蝦夷瑠璃草

 

蝦夷瑠璃草

エゾルリソウ

Mertensia pterocarpa var. yezoensis Tatew. et Ohwi

ムラサキ科ハマベンケイ属

絶滅危惧IA類CR

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道の高山帯の砂礫地に自生する種です。

ごく近い将来には野生絶滅する可能性が非常に高く、

絶滅危惧種のランクでも野生絶滅一歩手前のCRに位置しています。

大雪山でも自生地は減少し続けており、

群生地はほぼ無くなってしまいました。

夏山を彩る高山植物の中で、

青色の花というのはなかなか見つけられませんので、

それだけでも希少な花なのですが、

その可憐な立ち姿で花冠が青く際立つことで、

岩や夏空とのマッチングが何とも言えず映えます。

北海道の夏山にはアルプスにはない青色があり、

山旅の記憶をより多彩なものにしてくれています。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

加藤繁縷

 

加藤繁縷

カトウハコベ

Stellaria ruscifolia Willd

ナデシコ科ノミノツヅリ属

絶滅危惧II類VU

日本固有種

観察地:谷川岳

 

北海道の夕張岳、東北早池峰山、至仏山、そして谷川岳にのみ分布します。

高山帯の蛇紋岩地に自生する絶滅危惧種になります。

鳥海山のチョウカイフスマに似ている非常に小さな種です。

谷川岳と尾瀬の至仏山は近いようでちょっと離れた関係にありますが、

蛇紋岩地があるために植生は非常に似ています。

とはいえ谷川岳は、至仏山に比べると標高も低く、

植生の豊富さでは敵いません。

希少な高山植物が自生しているのは、

オキの耳とトマの耳の短い稜線上と、黒戸尾根の上部になります。

それでも谷川岳には至仏山では味わえないアルペンムードがありますし、

アクセスが抜群に良いので、登山客は圧倒的に多い山です。

カトウハコベは、同じナデシコ科で高山型のミミナグサやツメクサのように、

50cmから80cmくらいの群生株で自生していることは少なく、

20cm程度の株が2、3まばらに点在していることが多かったのですが、

最近は1株の周りにポツポツあるくらいに減ってきています。

谷川岳ではこの季節に希少なエーデルワイスも見られますので、

来夏に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

size A4: h201 w282 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

藤菫

 

藤菫

フジスミレ

Viola tokubuchiana Makino var. tokubuchiana

日本固有種

観察地:庚申山

 

日光や足尾山地にのみ自生する非常に希少なスミレです。

絶滅危惧種のコウシンソウを見るために、

この山域の中心地である庚申山に登った時に偶然見かけました。

5月の連休を過ぎた頃でしたが、

この山域ではスミレも花期を迎える頃だったようです。

レッドデータに記載されてはいませんが、

これほどまでに地域が限定されていて、

かつ、見つけるのが容易ではない種ですので、

個体数はかなり少ないと考えた方が良いかと思います。

山では野生の藤の花が咲く季節で、

緑の樹々に混ざって紫のツルの束が垂れ下がる様はとても麗しく、

なるほど藤の季節に咲く藤色のスミレかと、

妙に納得して下山したのを思い出します。

 

size A4: h201 w282 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

三ッ葉ノ梅花黄蓮

 

三ッ葉ノ梅花黄蓮

ミツバノバイカオウレン

Coptis trifoliolata Makino

日本固有種

観察地:北アルプス燕岳

 

バイカオウレンはオランダの植物学者miquelが命名した種で、

牧野富太郎博士が命名した種は、

この高山型のミツバノバイカオウレンになります。

おもに日本海側に分布しているようですが、

南アルプスでも見たことがあります。

燕岳は登りはじめからぐんぐん標高を上げていく、

北アルプスでも有名な急な登りが続く山です。

この花はその登りはじめの樹林帯の日陰地で見られます。

前半から息があがる傾斜となりますが、

そんなに長くは続きませんので、

比較的辛くなく山頂まで辿り着けます。

山頂には綺麗な燕山荘があり、

ビーフシチューやケーキセットが最高です。

眺望も素晴らしく、ライチョウにも会えて、

人気があるのが分かります。

反面登山口周辺の樹林帯以外は、

稜線まで植生に乏しい印象があります。

人気の山域の故、登山道周辺には、

植物が自生できる環境がなくなってしまっているようです。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

蝦夷岩爪草

 

蝦夷岩爪草

エゾイワツメクサ

Stellaria pterosperma Ohwi

ナデシコ科ハコベ属

絶滅危惧IB類EN

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道の大雪山の高山帯の砂礫地に自生する希少種です。

北海岳や白雲岳の稜線上などに見られます。

今年もなんとか大雪山に行くことができましたが、

白雲岳の山小屋はヒグマの影響で閉鎖されていました。

大雪山では常にヒグマとの遭遇と背中合わせとなる登山になりますので、

絶えず双眼鏡や望遠レンズでヒグマの姿の有無を確認しながら、

行動していくことが必要になります。

ヒグマの生息地に自生している希少種は大変多く、

それゆえに守られていると考える方が良いかなと思います。

大雪山は神々の庭と呼ばれている通り、

そこに棲む生きものたちはみんな神さまが育てている、

そう考えると、大雪山に絶滅危惧種が集中しているのも分かります。

それにしても素晴らしい山々ですし、大自然です。

大雪山に咲く花だけの展示も、近いうちに実現してみたいです。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雛輪違草

 

雛輪違草

ヒナワチガイソウ

Pseudostellaria heterantha Pax var. linearifolia Nemoto

ナデシコ科ワチガイソウ属

絶滅危惧II類VU

日本固有種

観察地:筑波山

 

限られたごく僅かな地域でしか見られないワチガイソウです。

筑波山の他に房総半島の低山でも見たことがあります。

周辺の植生や環境がなんとなく似ていたと思います。

温暖で風が抜けるような場所で、

落葉樹が風に揺られた際に陽が当たる、

土は腐葉土が多く柔らかめ、そんな環境です。

ワチガイソウは亜高山帯の林縁に多く見られますが、

この種は1000Mくらいまでに自生していると思います。

大変華奢で繊細な希少種で、近年急速に個体数を減らしていますが、

温暖化や開発というよりも、ほぼ業者による盗掘が原因です。

小さな美しきものは、

いつの世でも無抵抗で安心して生きられないのでしょうか。

自然搾取を続ける先に何を求めるのか、

弱さが守っているものの強さを知ることが、

大切な手がかりとなることも知らずに。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

姫五葉苺

 

姫五葉苺

ヒメゴヨウイチゴ

Rubus pseudojaponicus Koidz.

バラ科キイチゴ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬岳

 

北海道、本州中部地方の亜高山帯の針葉樹林内に自生します。

この種は高山型のイチゴになります。

ヒメと名付けられているのは棘がないからです。

高山の針葉樹林帯にはこの種の他に、

様々なイチゴが見られますが、

このイチゴは花弁が7枚ということもあって、

どうしても見つけたくなります。

白馬岳へは大雪渓と大池からの2つの主要ルートがあり、

下山はこの2ヶ所に加えて、鑓温泉から猿倉に下りるルートがあります。

樹林帯が延々と続く南アルプスのような疲れるルートですが、

往路を大池からとすると、

植生の豊かさ、見られる種の豊富さは、

日本で一番ではないかと思います。

花弁が7枚のイチゴを探すにはなかなか骨が折れますので、

下山の際に探すのが、ゆとりを持って見られていいのかなと思います。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

赤石竜胆

 

赤石竜胆

アカイシリンドウ

Gentianopsis yabei Ma var.akaisiensis Yamazaki

絶滅危惧種IB類EN

日本固有種

観察地:南アルプス悪沢岳

 

南アルプスの高山帯の岩礫地に自生する種です。

北岳が最も多く自生していると思いますが、

この花の名前の赤石岳で見たいと思って、

南アルプス深部の登山口、椹島に向かいました。

お目当てのアカイシリンドウは肝心の赤石岳近辺では見ることができず、

二日目の悪沢岳のお花畑の端っこでの観察となりました。

8月のお盆を過ぎた頃は、ほとんど花が終わっていて緑一色の季節ですが、

この時期だからこそお目にかかれる超希少種に出合える良い季節です。

広河原から北岳へ向かう表の南アルプスは人気がありますが、

椹島を起点とした南アルプスの南部の山深い山域では、

アクセスが非常に不便なため、大変静かな山旅が堪能できます。

アカイシリンドウが咲く悪沢岳の稜線は素晴らしく、

感動に次ぐ感動の連続ではありますが、

標高3100Mの稜線で4、500Mのアップダウンを延々と繰り返し、

太ももふくらはぎがパンクしたあげく、

下り2000Mで膝もボロボロとなり見るも無惨な姿となりましたので、

体力があるうちに登っておくことをお薦めします。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雌阿寒金梅

 

雌阿寒金梅

メアカンキンバイ

Potentilla miyabei Makino

バラ科タテヤマキンバイ属

絶滅危惧種II類VU

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道にのみ分布している高山植物です。

牧野博士が1902年に命名した種になります。

雌阿寒岳で採集されたものが基本標本のため、

この名が付けられました。

高山の陽当たりの良い砂礫に自生します。

非常に小さいですが、草ではなく木になります。

3〜5mmの直径の根を張り巡らし、

10cmに満たない茎を伸ばし花を咲かせます。

その細い根茎には細かい年輪が刻まれていて、

30年以上の年月を重ねて生き続ける種も多いです。

この種のような高山に棲むバラ科の矮小低木は、

華奢な花姿からは想像がつかない根っこの逞しさが感じられますが、

風雪には耐えられても、暑さには耐えられないため、

昨今急速にその数を減らしています。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

叡山菫

 

叡山菫

エイザンスミレ

Viola eizanensis Makino

スミレ科スミレ属

日本固有種

観察地:奥多摩御前山

 

比叡山に咲くスミレということから名付けられましたが、

分布域は広く、東北から九州まで見られます。

花の百名山では御岳山で紹介されています。

確かに丹沢山域よりも奥多摩の方が見られる確率が高いように感じます。

このスミレの特徴は深く切り込んだ葉っぱになります。

ハート形が多い中で、なかなか珍しい葉っぱです。

花色は白から桃まであるようですが、

関東では白花を見かける機会は少ないかなと思います。

御前山では叡山菫の時期にカタクリも咲いています。

10年前くらいまでは、春のまだ肌寒い中での登山でしたが、

最近はかなり汗ばむほど暖かくなりました。

気温の上昇とともに早足になった春に追いつけるのか、

可憐な花や蝶を見ながら思いを巡らす昨今です。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雲間耳菜草

雲間耳菜草

クモマミミナグサ

Cerastium schizopetalum Maxim. var bifidum Takeda

ナデシコ科ミミナグサ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬岳

 

ミヤマミミナグサの変種で、北アルプス北部にのみ自生しています。

白馬の稜線の岩礫地で見ることができます。

白馬岳の地質を見ると、おおよその植生が分かりますので、

高山植物がどの辺りに分布しているのか把握しやすい山です。

白馬ではこの種に良く似たタカネミミナグサやミヤマミミナグサの他に、

同じナデシコ科のタカネツメクサやイワツメクサも自生していますので、

なかなか見分けるのに時間がかかります。

これはこれで百花繚乱ということですので嬉しい悲鳴です。

蛇紋岩や石灰岩など多様な地質が混在していることで、

これほどまでに植生が豊かなのでしょう。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

北岳金鳳花

北岳金鳳花

キタダケキンポウゲ

Ranunculus kitadakeanus Ohwi

キンポウゲ科キンポウゲ属

絶滅危惧IB類EN

日本固有種

観察地:南アルプス北岳

 

北岳の山頂付近、標高3100Mあたりの砂礫地に自生します。

隣の間ノ岳との稜線になります。

花期は7月になります。

北岳はこの花の他に、キタダケソウ、ヒメセンブリ、キタダケナズナ、

タカネマンテマなど多数の絶滅危惧種が生息しています。

北岳は登るのにとてもハードで大変ですので、

一度に全部見れたらいいなといつも思いますが、

どれも微妙に時期がズレています。。

僕らは白根御池小屋に幕営して、

翌朝に軽い荷物で北岳を登ります。

まだ体力があった頃はテントを背負ったまま稜線を歩き、

農鳥岳まで縦走することができましたが、

もう数年前にギブアップしてしまいましたので、

近頃はかなり少ない高山植物の観察量になってしまいました。

それでも北岳は良い山です。

お花畑はどれも美しく、山々はどっしりとたおやかで、

鳥や小動物たちもみんな元気です。

キツいのは分かっていても、また登りたくなります。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

甲斐小貝母

甲斐小貝母

カイコバイモ

Fritillaria kaiensis Naruhashi

ユリ科バイモ属

絶滅危惧IB類EN

日本固有種

観察地:山梨県南巨摩郡

 

春を告げる球根植物で非常に希少な絶滅危惧種です。

花期は3月中旬から4月上旬ころまでになります。

ブナが多い自然林の林内に見られますので、

植林が多い山域では見ることができません。

この花が咲く頃はまだスミレもちょこっと咲いているくらいですので、

見つけられそうな気がしますが、

非常に小さな植物のうえ、

枯葉の陰に隠れてそっと咲いていますから、

見つけるのにはなかなか苦労します。

それでもこの春の妖精スプリングエフェメラルに出合うと、

小さいながらも温かな幸せを感じることができます。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

小深山菫

 

小深山菫

コミヤマスミレ

Viola maximowicziana Makino

スミレ科スミレ属

日本固有種

観察地:丹沢

 

福島県以西の太平洋側に分布し、

山地の湿った林床に自生しています。

花期は4月から5月頃になります。

このスミレは牧野富太郎博士が命名した種ですが、

敬愛するロシアの植物学者マキシモヴィッチの名前があります。

このスミレを命名する10年ほど前に、

マキシモヴィッチは他界してしまっていますが、

もし存命ならば、牧野博士はロシアに渡り師事していたであろう間柄でした。

マキシモヴィッチが命名したフモトスミレという良く似た種がありますが、

牧野博士がこのコミヤマスミレを見た際に、

師を思い出してその名を献命されたのでしょうか。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

山鍬形

 

山鍬形

ヤマクワガタ

Veronica japonensis Makino

オオバコ科クワガタソウ属

日本固有種

観察地:尾瀬

 

東北南部、関東北部、中部地方に分布し、

亜高山帯から高山帯の針葉樹林内のやや日陰地に自生しています。

花期は7月から8月上旬まで残る時もあります。

6月のミズバショウから始まる尾瀬のシーズンは、

7月中旬にニッコウキスゲが終わると少し落ち着きます。

このヤマクワガタの群生というのは見たことがなく、

林縁にポツポツと咲いているイメージです。

しゃがみ込んで見るしかない小さな植物たちは、

落ち着いた季節の尾瀬でしか、

気づくことが出来ないのかもしれません。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雲間薺

 

雲間薺

クモマナズナ

Draba sakuraii Makino var. nipponica Takeda

アブラナ科イヌナズナ属

絶滅危惧II類 VU

日本固有種

観察地:南アルプス北岳

 

本州中部の高山帯の岩礫地に自生しています。

非常に過酷な環境下に生息する高山植物の中でも、

この高山型のナズナは最もタフな植物のひとつかと思われます。

風が吹きすさぶ標高3,000Mの稜線の岩陰で、

ポツンと数株が寄り添うように花をつけていました。

他の植物が近くに見当たらないような厳しい環境の中、

たくましく生きる姿に感動したのを思い出します。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

腎葉黄菫

 

腎葉黄菫

ジンヨウキスミレ

Viola alliariaefolia Nakai

スミレ科スミレ属

絶滅危惧 IB類 EN

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道の大雪山系の高山帯の草地などに自生しています。

花期は6月下旬から7月中旬頃になります。

大雪山の主要な登山口は、旭岳温泉と層雲峡になるかと思いますが、

このスミレは層雲峡から黒岳への登山道で出合うことができました。

葉っぱのギザギザがやや大きく特徴的なスミレです。

元々の株が少ないのか、食害なのかはわかりませんが、

近年野生絶滅の可能性が非常に高まっている種になります。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

モリソン小林個展 自然礼賛「枯葉枯色」2023.12.2(sat)~12.16(sat)

会期:2023年12月2日(土)~ 12月16日(土)*6日・13日はお休みです

会場:special source atelier gallery

open: 13:00~17:00

 

 

短い季節に生きる植物たちの姿をタイムカプセルのような

 

ガラスフレームの中に切り取ってきました

 

その多くは緑が残る枯れ始めの頃でしたが

 

今回は少し先の立ち枯れの瞬間へと時計の針を進めてみることにしました

 

そこには枯れゆけばゆくほど多彩で鮮やかな輝きを放つ

 

植物たちの新しい姿がありました

 

 

 

本展では「枯葉枯色」と題しまして

 

ほんの僅かな時の移ろいを表現しました

 

制作した植物はすべて日本にしか自生していない固有種となります

 

日本の四季が育む自然の美しさから生まれる枯れ色をどうぞご高覧下さい

 

— モリソン小林 —

 

 

 

詳細はatelier gallery ページをご覧ください

 

 

ビリビリッ

 

高里千世作品集

「ビリビリッ」

A4サイズ 166ページ

作品、写真、文、編集:高里千世

デザイン、編集:荒澤文香

発行所:special source

 

¥5,500-(税込、送料込)

 

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steel object 21

スチール黒皮wax仕上げ+天板真鍮

size: h65 w106 d106

price: ¥16,000-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

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steel object 20

スチール黒皮焼き入れ+ウレタンクリア塗装仕上げ

size: h262 w270 d65

price: ¥18,000-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

steelobject19

steel object 19

スチール黒皮+焼き付けウレタンクリア塗装仕上げ

size: h230 w75 d75

price: ¥20,000-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

steelobject18

steel object 18

スチールエイジング+ウレタンクリア塗装仕上げ

size: h100 w90 d90

price: ¥18,000-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

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steel object 16

スチール黒皮wax仕上げ

size: h12 w98 d98

price: ¥7,500-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

steelobject15

steel object 15

スチール黒皮wax仕上げ

size: h12 w156 d56

price: ¥7,500-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

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steel object 14

スチール黒皮エイジングwax仕上げ

size: h180 w100 d100

price: ¥16,000-(税込、送料別)

スチール黒皮材をエイジングし、

ミツロウwaxを塗布したものになります。

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

atelier galleryオープン日以外でも実物をご覧いただけます。

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steel object 13

スチール白塗装wax仕上げ

size: h35 w125 d125

price: ¥11,000-(税込、送料別)

 

※画像は初期制作のものになります。

ひとつひとつスチールのスレやキズ感が僅かに異なるものとなります。

スチール材ですので、経年で錆が発生します。

ご了承下さいませ。

 

※事前にご予約を入れて下されば、

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