日々花

 

一見北欧かカナダ辺りの写真かと思ってしまいますが、

鳥取県の米子市の海沿いの建物になります。

2021年の年末にatelier galleryにお越し下さいましたオーナーさまから、

アーチの入り口や窓の制作依頼を受けました。

遠方のため、メンテナンスなどが必要になるドアなどの可動ものではなく、

FIX窓のみをお受けすることになりました。

設計を担当される建築家の方が大変丁寧にご協力してくださり、

無事に取り付けしていただき、2022年11月にオープンされました。

3つのアーチ窓が印象的に配置されています。

 

日々花さんは工芸作家さんの作品や、

アパレルなども販売されているセレクトショップになります。

喫茶室も併設されています。

お近くにお越しの際にはお立ち寄り下されば幸いです。

 

鳥取県米子市祇園町2-262-17

www.hibika3.com

 

 

one-off product、space productなどのオーダーについてはatelier galleryにご来場の際にお尋ね下さい。

メールだけでのお問い合わせ、お見積り等はお受けしておりません。

 

モリソン小林「鉄の花 鉄の草」展 2024.4.6(sut)~21(sun) at Galerie LIBRARIE6

植物たちの姿を鉄で記録するモリソン小林の新作展

 

 

 

会期:2024年4月6日(土)〜4月21日(日)

 

open:平日12:00〜19:00 日・祝 12:00〜18:00

 

*最終日は17:00に閉廊します

 

定休日:月曜日・火曜日

 

会場:Galerie LIBRAIRIE6  info@librarie6.com

 

渋谷区恵比寿南1-12-2-3F 03-6452-3345

 

・山手線「恵比寿駅」西口改札より徒歩2分

 

・東京メトロ「恵比寿駅」1番出口より徒歩2分

 

詳細はGalerie LIBRAIRIE6のHPをご覧ください

 

 

モリソン小林・中村大介・高里千世 Exhibition at Yu-Rah 3.22~4.5

 

愛媛県にございますgallery Yu-Rahにて

3人で展示をさせていただくことになりました

四国地方の皆様どうぞよろしくお願いいたします

 

 

【Yu-Rah】

会期:2024年3月22日(金)〜 4月5日(金) 会期中無休

会場:Yu-Rah Villa&gallery 愛媛県今治市上浦町瀬戸6558-5

open : 9:00~20:00

www.yu-rah.net  @yurah_official

 

atelier galleryページでも紹介しております

 

 

ブナ

Fagus crenata Blume

ブナ科ブナ属

日本固有種

 

北海道南部から九州まで分布します。

日本の森を代表する日本固有種です。

東北地方に戦前まで残っていたブナの原生林は、

戦後の大規模な伐採により白神山地のみとなってしまいました。

日本の植生においてブナは欠かすことのできない

重要な役割を担っています。

ブナによって土は栄養を蓄え、水は美しく保たれ、

森は静かに、深く呼吸するかの様に、

生物多様性を育んでいます。

 

今回はこのブナを枯れ色で仕上げました。

大きめのもの以外に小さいものも制作しました。

枯れ果ててはいますが、僅かに残る生命の灯火というイメージでしょうか。

永遠に落ちない枯れ葉を抱いたブナの枝になります。

 

size large: h820 w560 d380 / small: h450 w200 d200

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

Leaves of tree

 

Leaves of tree

 

ホンシャクナゲ、ハコネグミ、クマシデ、シロヤシオ、

ゴマギ、ウラジロナナカマド、オオバホツツジ、

コハウチワカエデ、オオキツネナヤギ、マンサク、

アカヤシオ、ミツデカエデ、ヒロハカツラ

 

すべて日本固有種

観察地:大雪山、鳥海山、磐梯山、尾瀬、八ヶ岳、白馬岳、丹沢

 

size 450: h450 w450 t44 /4.8kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

フレーム作品はこれにてすべてアップロードいたしました。

他に立体作品が10点ほどありますが、

写真撮影が間に合いませんでした。。

会期中にはなんとか間に合うように頑張ります。

また、彫刻作品も3点出展いたします。

こちらはblogやatelier galleryページにて、

会期中の画像の中でご覧下さい。

 

Leaves of tree

 

Leaves of tree

 

ミヤマアオダモ、ネコシデ、ブナ、

シロバナハンショウヅル、ミネカエデ、

マルバシモツケ、トウゴクミツバツツジ、

スノキ、ハクサンシャクナゲ

 

すべて日本固有種

観察地:大雪山、鳥海山、磐梯山、尾瀬、八ヶ岳、白馬岳、丹沢

 

size A3: h282 w400 t44 /2.9kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

Leaves of tree

 

Leaves of tree

 

コミネカエデ、ヤハズハンノキ、ナンキンナナカマド、

イヌブナ、バイカツツジ、ウラジロウコギ、フジウツギ

すべて日本固有種

観察地:大雪山、鳥海山、磐梯山、尾瀬、八ヶ岳、白馬岳

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

岩銀杏

 

岩銀杏

イワイチョウ

Fauria crista galli Makino

ミツガシワ科イワイチョウ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬大池

 

北海道から本州中部の高山帯や亜高山の湿原などに自生します。

白馬大池周辺には大規模な群生地が見られます。

ここに幕営して翌朝から白馬岳へ向かうルートは、

眺望の良い稜線を歩くことになりますので、

非常に人気があり、希少な植物も豊富です。

大雪渓からですと下りになりますので、

花を見落としてしまうことが多くなりますが、

このルートではまずありません。

大池の幕営場は標高もそこまで高くなく、

フラットで寝心地も良いので快適に過ごせます。

朝日を浴びてみずみずしい緑葉を広げるイワイチョウの、

閉じ気味だった白花が徐々に開けていくのを眺めながら、

雷鳥坂をゆっくりと登り始めるのです。

 

size A3L: h587 w282 t44 /4.0kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

深山獅子頭

 

深山獅子頭

ミヤマシシガシラ

Blechnum castaneum Makino

シシガシラ科ヒリュウシダ属

絶滅危惧II類VU

日本固有種

観察地:磐梯山

 

東北から中部の亜高山のブナ帯に自生する希少なシダ植物です。

以前にもこの種を制作したことがありますが、

今回は胞子葉をひとつ新たに制作しています。

ミヤマシシガシラの特徴として、

この胞子葉が栄養葉に比べてだいぶ長いことがあります。

シダ植物を制作する際に一番悩むのが、

胞子葉も制作するかどうかですが、

栄養葉だけでも大変な労力が必要になりますので、

なかなか気持ちが入らないことが多いです。

この夏に磐梯山と吾妻山へ遠征に行ってきました。

風が吹き抜ける磐梯山中腹の林縁で出会った一株になります。

 

size A3S: h400 w400 t44 /3.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

蔓立壺菫

 

蔓立壺菫

ツルタチツボスミレ

Viola faurieana W. Becker

スミレ科スミレ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬岳

 

タチツボスミレの変種で、ツル状に茎を伸ばし、

新しい株を作りながら広がっていくスミレです。

東北から中国地方に分布します。

日本海側のブナ林に多く自生しているかと思います。

落葉樹林の林床に咲く花の中では、

比較的遅い時期でも見られるスミレです。

白馬岳では6月中旬ころ、鳥海山では6月の上旬でした。

葉っぱがハート形というよりは少し扁平な形状をしていて、

可愛らしい印象を受けます。

一株で制作するスミレが多い中、

数株が地中でつながっている様子をそのまま作りました。

 

size A3S: h400 w400 t44 /3.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

白山風露

 

白山風露

ハクサンフウロ

Geranium yesoense Franch et Savat var. nipponicum Nakai

フウロソウ科フウロソウ属

日本固有種

観察地:北アルプス雲ノ平

 

東北から本州中部の高山帯に分布します。

夏山を彩る代表的な桃花の種になります。

北アルプスの最深部に位置する雲ノ平は、

木道が整備された美しいエリアです。

一日中ぼーっとして、のんびり過ごすのが最適だと思います。

ここは辿り着くまでが長くてなかなか骨が折れる場所です。

期待感に満ちあふれた往路はまだ大丈夫ですが、

帰路はかなりしんどいです。

このルートの良さはいくつかの個性的なピークを巡るため、

同じ植物でも色合いや風情が違う種に出会えることです。

ハクサンフウロも双六岳ではやや紫で、

三俣あたりでは桃色といった具合です。

イレギュラーな白色のアルビノ種も見られたりします。

 

size A3S: h400 w400 t44 /3.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

長嘴菫

 

長嘴菫

ナガハシスミレ

Viola rostrata Pursh var. japonica Ohwi

スミレ科スミレ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬岳

 

北海道南部から本州の日本海側に分布します。

花の距が長いくちばし状になっているのが特徴のスミレです。

北米に自生する種の変種になります。

白馬岳ではミヤマナガハシスミレという近似種も自生しています。

非常に似ているのですぐには見分けがつきません。

昨今このA3以上のサイズは制作数が少なくなっています。

小さいサイズが人気があるというのももちろんあるのですが、

輸入しているステンドグラスの高騰があり、

なかなかatelier gallery以外の場所では出しづらくなってしまいました。

ガラスの取り合いが大きくなればなるほど悪くなりますので、

なんというか、もったいなく思ってしまっているというところです。

スミレは小さいものが多い中で、

花茎が20センチを超えてくる珍しいスミレです。

A3サイズに良く合うスミレと思います。

 

size A3: h400 w282 t44 /2.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

春雪ノ下

 

春雪ノ下

ハルユキノシタ

Saxifraga nipponica Makino

ユキノシタ科ユキノシタ属

日本固有種

観察地:丹沢

 

関東から近畿地方までの山地の岩上などに自生する種です。

低地でも見られるユキノシタのように、

葉っぱに赤みが見られないのが特徴です。

湿った岩場に良く見られます。

花期は4月くらいから5月の連休明けくらいまでかと思われます。

地元の神奈川県に連なる丹沢山地は、

標高こそ1600MくらいがMAXですが、

なかなか侮れないほどに希少な植物が豊富な山域です。

メジャーな登山道では見られなかった植生が、

ほんの少し外れた沢筋の登山道などに多々あり、

ホトトギスやラン、サバノオなどの絶滅危惧種も多く、

新しいルートを行けば行くほど面白い山域です。

ハルユキノシタは綺麗な緑色から、

小さな真っ白な花をいくつも咲かせてくれます。

4月の陽が長く感じられるようになる頃の夕暮れに、

ひと際清楚な立ち姿で迎えてくれたのを思い出します。

 

size A4L: h400 w282 t44 /2.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

甲斐宝香

 

甲斐宝香

カイタカラコウ

Ligularia kaialpina Kitam.

キク科メタカラコウ属

日本固有種

観察地:南アルプス鳳凰山

 

本州中部、東北南部の亜高山から高山帯まで、

結構幅広い標高で見られます。

おもに針葉樹林帯の湿地に自生していると思います。

南アルプスの鳳凰山は夜叉神峠からと、

青木鉱泉からドンドコ沢を登る2つのルートがあります。

この花は沢沿いで滝がいくつかある後者のルートで見られます。

南アルプスは大型のシダ植物が多数群生していまして、

このカイタカラコウもそのシダの群生の中に花を咲かせていました。

名前に宝香とありますので、いい香りがするのかなと思いますが、

雨上がり以外では芳香を感じられないかもしれません。

限定された瞬間でしか香らないからこその、

宝香なのかもしれませんね。

 

この作品が今回一番最後に制作されたものになります。

 

size A3: h400 w282 t44 /2.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

蔓狐ノ牡丹

 

蔓狐ノ牡丹

ツルキツネノボタン

Ranunculus hakkodensis Nakai

キンポウゲ科キンポウゲ属

日本固有種

観察地:北アルプス居谷里湿原

 

山地の池沼などの水湿地に自生します。

北アルプスには植生が豊かな湿地帯がいくつかありますが、

その中でも特に好んで訪れるのが居谷里湿原になります。

広さも程よいですし、人もそんなにいませんし、

植物もそこそこいい塩梅ですし、

すべてがちょうど良い場所です。

北アルプスといっても麓ですから、

山よりも花期が早いので気をつけなければなりません。

尾瀬だと6月下旬のリュウキンカやスミレも、

ここでは1ヶ月以上早く咲きます。

このツルキツネノボタンは花期が長く、

5月から7月の終わり頃まで残ることもありますので、

何とも裏切らない有り難い花です。

基本標本は青森県の八甲田山のもので、

他には長野県と山梨県だけに分布しています。

希少な野生のラナンキュラスになります。

 

size A4L: h201 w400 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

信濃撫子

 

信濃撫子

シナノナデシコ

Dianthus sinanensis Makino

ナデシコ科ナデシコ属

日本固有種

観察地:南アルプス山麓

 

本州中部に分布し、山間の河原に自生します。

ナデシコ科のナデシコ属ということで、

世界で300種ほどといわれるDianthusダイアンサスで、

カーネーションと同じ種属ということになります。

なるほど野生で見ると、園芸種のような見映えのする美しい花を咲かせます。

南アルプスの甲斐駒ケ岳と仙丈ヶ岳の登山口へ向かう道中で出会いました。

真夏の陽射しが照りつける河原の岩陰に、

浮かび上がるように咲く桃色の花の印象は鮮烈で、

帰ってからすぐに制作したのを思い出します。

 

size A4L: h400 w201 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

黄花稚児百合

 

黄花稚児百合

キバナチゴユリ

Disporum lutescens Koidz.

ユリ科チゴユリ属

日本固有種

観察地:阿蘇山

 

白花のチゴユリに似ていますが、

細部で違いがいくつもある種です。

近畿地方、四国、九州に分布しています。

阿蘇山の麓は植生が豊かで、九州では特に魅力的な山域です。

綺麗な馬たちが走り回り、牧歌的な景色も見られます。

この山域ではキスミレが代表的な種かなと思っていますが、

他にもたくさんのスミレが自生しています。

九州というとミヤマキリシマのピンク色が思い浮かびますが、

阿蘇はイエローというイメージがあるのは、

キスゲやキスミレ、そしてこのチゴユリから来るもののようです。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

八ヶ岳黄菫

 

八ヶ岳黄菫

ヤツガタケキスミレ

Viola crassa Makino var. yatsugatakeana T. Shimizu

スミレ科スミレ属

準絶滅危惧種NT

日本固有種

観察地:八ヶ岳横岳

 

高山のスミレViola crassaは4種あります。

北海道はエゾタカネスミレ、東北はタカネスミレ、

北アルプスと中央アルプスにはクモマスミレ、

そして八ヶ岳特産のヤツガタケキスミレです。

八ヶ岳はアクセスが良く、ピークまでの所要時間が短く、

山小屋が充実していて、とても登り易い山域です。

しかし高山植物となると、横岳への登山一択になるかと思います。

横岳への道のりは連続する岩場とハシゴでなかなか難しいものになります。

赤田岳へ向かう人の方が多いのもうなずけます。

横岳のお花畑はとても小さく、岩場の陰に隠れるようにひっそりと咲いています。

過酷な環境下にあるためか、非常に希少な種が多く、

それらが譲り合うように順を追って花を咲かせていきます。

まるで地中で手を取り合って意見交換をしながら、

スケジュールを組んでいるかのように感じられます。

ここが八ヶ岳の奥深さが感じられる場所だと常々思います。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

早池峰薄雪草

 

早池峰薄雪草

ハヤチネウスユキソウ

Leontopodium hayachinense Hara et Kitam.

キク科ウスユキソウ属

絶滅危惧IB類EN

日本固有種

観察地:早池峰山

 

岩手県の早池峰山特産種で、高山帯の蛇紋岩地に自生しています。

希少なエーデルワイスです。

早池峰山はお花畑に大きな岩が点在する美しい山です。

この山域は遠野物語の舞台となっているエリアで、

昭和初期までニホンオオカミやライチョウなどが生息していたと、

まことしやかに囁かれていた秘境でした。

現在でもその神秘さは健在で、

さすがにライチョウは難しいかと思いますが、

ニホンオオカミに関しては、存在していてもおかしくないと本気で思っています。

山頂が見えてきた辺りの景色が特に素晴らしく、

日本ではないような感覚さえ覚えます。

日本に自生するウスユキソウは8種類ほどあるかと思いますが、

その中で最もヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスに似ている種が、

このハヤチネウスユキソウになります。

環境が似ると姿も似てくるのでしょうか。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

蝦夷瑠璃草

 

蝦夷瑠璃草

エゾルリソウ

Mertensia pterocarpa var. yezoensis Tatew. et Ohwi

ムラサキ科ハマベンケイ属

絶滅危惧IA類CR

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道の高山帯の砂礫地に自生する種です。

ごく近い将来には野生絶滅する可能性が非常に高く、

絶滅危惧種のランクでも野生絶滅一歩手前のCRに位置しています。

大雪山でも自生地は減少し続けており、

群生地はほぼ無くなってしまいました。

夏山を彩る高山植物の中で、

青色の花というのはなかなか見つけられませんので、

それだけでも希少な花なのですが、

その可憐な立ち姿で花冠が青く際立つことで、

岩や夏空とのマッチングが何とも言えず映えます。

北海道の夏山にはアルプスにはない青色があり、

山旅の記憶をより多彩なものにしてくれています。

 

size A4S: h282 w282 t44 /2.2kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

加藤繁縷

 

加藤繁縷

カトウハコベ

Stellaria ruscifolia Willd

ナデシコ科ノミノツヅリ属

絶滅危惧II類VU

日本固有種

観察地:谷川岳

 

北海道の夕張岳、東北早池峰山、至仏山、そして谷川岳にのみ分布します。

高山帯の蛇紋岩地に自生する絶滅危惧種になります。

鳥海山のチョウカイフスマに似ている非常に小さな種です。

谷川岳と尾瀬の至仏山は近いようでちょっと離れた関係にありますが、

蛇紋岩地があるために植生は非常に似ています。

とはいえ谷川岳は、至仏山に比べると標高も低く、

植生の豊富さでは敵いません。

希少な高山植物が自生しているのは、

オキの耳とトマの耳の短い稜線上と、黒戸尾根の上部になります。

それでも谷川岳には至仏山では味わえないアルペンムードがありますし、

アクセスが抜群に良いので、登山客は圧倒的に多い山です。

カトウハコベは、同じナデシコ科で高山型のミミナグサやツメクサのように、

50cmから80cmくらいの群生株で自生していることは少なく、

20cm程度の株が2、3まばらに点在していることが多かったのですが、

最近は1株の周りにポツポツあるくらいに減ってきています。

谷川岳ではこの季節に希少なエーデルワイスも見られますので、

来夏に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

size A4: h201 w282 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

藤菫

 

藤菫

フジスミレ

Viola tokubuchiana Makino var. tokubuchiana

日本固有種

観察地:庚申山

 

日光や足尾山地にのみ自生する非常に希少なスミレです。

絶滅危惧種のコウシンソウを見るために、

この山域の中心地である庚申山に登った時に偶然見かけました。

5月の連休を過ぎた頃でしたが、

この山域ではスミレも花期を迎える頃だったようです。

レッドデータに記載されてはいませんが、

これほどまでに地域が限定されていて、

かつ、見つけるのが容易ではない種ですので、

個体数はかなり少ないと考えた方が良いかと思います。

山では野生の藤の花が咲く季節で、

緑の樹々に混ざって紫のツルの束が垂れ下がる様はとても麗しく、

なるほど藤の季節に咲く藤色のスミレかと、

妙に納得して下山したのを思い出します。

 

size A4: h201 w282 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

三ッ葉ノ梅花黄蓮

 

三ッ葉ノ梅花黄蓮

ミツバノバイカオウレン

Coptis trifoliolata Makino

日本固有種

観察地:北アルプス燕岳

 

バイカオウレンはオランダの植物学者miquelが命名した種で、

牧野富太郎博士が命名した種は、

この高山型のミツバノバイカオウレンになります。

おもに日本海側に分布しているようですが、

南アルプスでも見たことがあります。

燕岳は登りはじめからぐんぐん標高を上げていく、

北アルプスでも有名な急な登りが続く山です。

この花はその登りはじめの樹林帯の日陰地で見られます。

前半から息があがる傾斜となりますが、

そんなに長くは続きませんので、

比較的辛くなく山頂まで辿り着けます。

山頂には綺麗な燕山荘があり、

ビーフシチューやケーキセットが最高です。

眺望も素晴らしく、ライチョウにも会えて、

人気があるのが分かります。

反面登山口周辺の樹林帯以外は、

稜線まで植生に乏しい印象があります。

人気の山域の故、登山道周辺には、

植物が自生できる環境がなくなってしまっているようです。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

蝦夷岩爪草

 

蝦夷岩爪草

エゾイワツメクサ

Stellaria pterosperma Ohwi

ナデシコ科ハコベ属

絶滅危惧IB類EN

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道の大雪山の高山帯の砂礫地に自生する希少種です。

北海岳や白雲岳の稜線上などに見られます。

今年もなんとか大雪山に行くことができましたが、

白雲岳の山小屋はヒグマの影響で閉鎖されていました。

大雪山では常にヒグマとの遭遇と背中合わせとなる登山になりますので、

絶えず双眼鏡や望遠レンズでヒグマの姿の有無を確認しながら、

行動していくことが必要になります。

ヒグマの生息地に自生している希少種は大変多く、

それゆえに守られていると考える方が良いかなと思います。

大雪山は神々の庭と呼ばれている通り、

そこに棲む生きものたちはみんな神さまが育てている、

そう考えると、大雪山に絶滅危惧種が集中しているのも分かります。

それにしても素晴らしい山々ですし、大自然です。

大雪山に咲く花だけの展示も、近いうちに実現してみたいです。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雛輪違草

 

雛輪違草

ヒナワチガイソウ

Pseudostellaria heterantha Pax var. linearifolia Nemoto

ナデシコ科ワチガイソウ属

絶滅危惧II類VU

日本固有種

観察地:筑波山

 

限られたごく僅かな地域でしか見られないワチガイソウです。

筑波山の他に房総半島の低山でも見たことがあります。

周辺の植生や環境がなんとなく似ていたと思います。

温暖で風が抜けるような場所で、

落葉樹が風に揺られた際に陽が当たる、

土は腐葉土が多く柔らかめ、そんな環境です。

ワチガイソウは亜高山帯の林縁に多く見られますが、

この種は1000Mくらいまでに自生していると思います。

大変華奢で繊細な希少種で、近年急速に個体数を減らしていますが、

温暖化や開発というよりも、ほぼ業者による盗掘が原因です。

小さな美しきものは、

いつの世でも無抵抗で安心して生きられないのでしょうか。

自然搾取を続ける先に何を求めるのか、

弱さが守っているものの強さを知ることが、

大切な手がかりとなることも知らずに。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

姫五葉苺

 

姫五葉苺

ヒメゴヨウイチゴ

Rubus pseudojaponicus Koidz.

バラ科キイチゴ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬岳

 

北海道、本州中部地方の亜高山帯の針葉樹林内に自生します。

この種は高山型のイチゴになります。

ヒメと名付けられているのは棘がないからです。

高山の針葉樹林帯にはこの種の他に、

様々なイチゴが見られますが、

このイチゴは花弁が7枚ということもあって、

どうしても見つけたくなります。

白馬岳へは大雪渓と大池からの2つの主要ルートがあり、

下山はこの2ヶ所に加えて、鑓温泉から猿倉に下りるルートがあります。

樹林帯が延々と続く南アルプスのような疲れるルートですが、

往路を大池からとすると、

植生の豊かさ、見られる種の豊富さは、

日本で一番ではないかと思います。

花弁が7枚のイチゴを探すにはなかなか骨が折れますので、

下山の際に探すのが、ゆとりを持って見られていいのかなと思います。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

赤石竜胆

 

赤石竜胆

アカイシリンドウ

Gentianopsis yabei Ma var.akaisiensis Yamazaki

絶滅危惧種IB類EN

日本固有種

観察地:南アルプス悪沢岳

 

南アルプスの高山帯の岩礫地に自生する種です。

北岳が最も多く自生していると思いますが、

この花の名前の赤石岳で見たいと思って、

南アルプス深部の登山口、椹島に向かいました。

お目当てのアカイシリンドウは肝心の赤石岳近辺では見ることができず、

二日目の悪沢岳のお花畑の端っこでの観察となりました。

8月のお盆を過ぎた頃は、ほとんど花が終わっていて緑一色の季節ですが、

この時期だからこそお目にかかれる超希少種に出合える良い季節です。

広河原から北岳へ向かう表の南アルプスは人気がありますが、

椹島を起点とした南アルプスの南部の山深い山域では、

アクセスが非常に不便なため、大変静かな山旅が堪能できます。

アカイシリンドウが咲く悪沢岳の稜線は素晴らしく、

感動に次ぐ感動の連続ではありますが、

標高3100Mの稜線で4、500Mのアップダウンを延々と繰り返し、

太ももふくらはぎがパンクしたあげく、

下り2000Mで膝もボロボロとなり見るも無惨な姿となりましたので、

体力があるうちに登っておくことをお薦めします。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雌阿寒金梅

 

雌阿寒金梅

メアカンキンバイ

Potentilla miyabei Makino

バラ科タテヤマキンバイ属

絶滅危惧種II類VU

日本固有種

観察地:大雪山

 

北海道にのみ分布している高山植物です。

牧野博士が1902年に命名した種になります。

雌阿寒岳で採集されたものが基本標本のため、

この名が付けられました。

高山の陽当たりの良い砂礫に自生します。

非常に小さいですが、草ではなく木になります。

3〜5mmの直径の根を張り巡らし、

10cmに満たない茎を伸ばし花を咲かせます。

その細い根茎には細かい年輪が刻まれていて、

30年以上の年月を重ねて生き続ける種も多いです。

この種のような高山に棲むバラ科の矮小低木は、

華奢な花姿からは想像がつかない根っこの逞しさが感じられますが、

風雪には耐えられても、暑さには耐えられないため、

昨今急速にその数を減らしています。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

叡山菫

 

叡山菫

エイザンスミレ

Viola eizanensis Makino

スミレ科スミレ属

日本固有種

観察地:奥多摩御前山

 

比叡山に咲くスミレということから名付けられましたが、

分布域は広く、東北から九州まで見られます。

花の百名山では御岳山で紹介されています。

確かに丹沢山域よりも奥多摩の方が見られる確率が高いように感じます。

このスミレの特徴は深く切り込んだ葉っぱになります。

ハート形が多い中で、なかなか珍しい葉っぱです。

花色は白から桃まであるようですが、

関東では白花を見かける機会は少ないかなと思います。

御前山では叡山菫の時期にカタクリも咲いています。

10年前くらいまでは、春のまだ肌寒い中での登山でしたが、

最近はかなり汗ばむほど暖かくなりました。

気温の上昇とともに早足になった春に追いつけるのか、

可憐な花や蝶を見ながら思いを巡らす昨今です。

 

size A4: h282 w201 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」

 

雲間耳菜草

雲間耳菜草

クモマミミナグサ

Cerastium schizopetalum Maxim. var bifidum Takeda

ナデシコ科ミミナグサ属

日本固有種

観察地:北アルプス白馬岳

 

ミヤマミミナグサの変種で、北アルプス北部にのみ自生しています。

白馬の稜線の岩礫地で見ることができます。

白馬岳の地質を見ると、おおよその植生が分かりますので、

高山植物がどの辺りに分布しているのか把握しやすい山です。

白馬ではこの種に良く似たタカネミミナグサやミヤマミミナグサの他に、

同じナデシコ科のタカネツメクサやイワツメクサも自生していますので、

なかなか見分けるのに時間がかかります。

これはこれで百花繚乱ということですので嬉しい悲鳴です。

蛇紋岩や石灰岩など多様な地質が混在していることで、

これほどまでに植生が豊かなのでしょう。

 

size B5: h244 w173 t44 /1.4kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」