加藤繁縷

カトウハコベ

Stellaria ruscifolia Willd

ナデシコ科ノミノツヅリ属

絶滅危惧II類VU

日本固有種

観察地:谷川岳

 

北海道の夕張岳、東北早池峰山、至仏山、そして谷川岳にのみ分布します。

高山帯の蛇紋岩地に自生する絶滅危惧種になります。

鳥海山のチョウカイフスマに似ている非常に小さな種です。

谷川岳と尾瀬の至仏山は近いようでちょっと離れた関係にありますが、

蛇紋岩地があるために植生は非常に似ています。

とはいえ谷川岳は、至仏山に比べると標高も低く、

植生の豊富さでは敵いません。

希少な高山植物が自生しているのは、

オキの耳とトマの耳の短い稜線上と、黒戸尾根の上部になります。

それでも谷川岳には至仏山では味わえないアルペンムードがありますし、

アクセスが抜群に良いので、登山客は圧倒的に多い山です。

カトウハコベは、同じナデシコ科で高山型のミミナグサやツメクサのように、

50cmから80cmくらいの群生株で自生していることは少なく、

20cm程度の株が2、3まばらに点在していることが多かったのですが、

最近は1株の周りにポツポツあるくらいに減ってきています。

谷川岳ではこの季節に希少なエーデルワイスも見られますので、

来夏に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

size A4: h201 w282 t44 /1.7kg

自然礼賛2023「枯葉枯色」