七つ葉

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

梅雨らしい天気が続いています。

 

雨が降ったり止んだりを繰り返すのは、植物たちにはいい季節です。

 

人間にとっては湿気があり過ぎるのは良くないですね。

 

身体が重く感じるのは気のせいではなくて、

 

水の重さなのかもしれません。

 

 

 

 

公園でシロツメクサの首飾りやティアラを作っている家族を見かけました。

 

昔から変わらない風景はいいですね。

 

一緒になって四つ葉を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。

 

ようやく見つけた四つ葉はイメージとは少し違って、

 

四枚とも同じ大きさではありませんでしたが、

 

それでも子どもはとても喜んでくれました。

 

学生の頃には八つ葉までは見つけたことがありました。

 

二つ葉や三つ葉、五つ葉はバリエーションが豊富で、

 

四つ葉が一番バリエーションが少なかったと思います。

 

六つ葉以上になると、茎の高さが低くなるのかなとも思いました。

 

こういう異形のものたちに出会うと、

 

自由でいいなあと思ったものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなシロツメクサの一つ葉から七つ葉までを作品にしてみました。

 

三つ葉も含めてすべて異形の葉です。

 

幸運を運んでくれるというよりは、

 

自由への賛美歌を歌ってくれているように思えてしまいます。

 

この作品は来月末からのIDEEさんでの個展に出展する予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白詰草

 

Trifolium repens L.

 

size: w399 h201 t44 /2.2kg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

采配蘭

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

6月は梅雨の季節ですが、

 

野生ランの季節でもあります。

 

希少な采配蘭を見かけました。

 

 

 

 

采配蘭は地中の菌類と共生して生存している種です。

 

園芸種として栽培ができません。

 

光合成をしなくても成長できる珍しい種です。

 

土壌に大きく左右される種でもありまして、

 

以前はもっと桃色が濃かったと記憶していますが、

 

どんどん色素が薄くなってきているように感じました。

 

これは菌類に従属する栄養素を、

 

発達させている途上ではないかと考えられているそうです。

 

ラン科の植物には未だに解明されていない、

 

進化の途中にいる種が多くあります。

 

人間による開発や乱獲によって、

 

減少の一途を辿る蜂などの虫たちに依存できなくなった現在の地球では、

 

新たに生き残る術を、地中に棲む菌類に求めているのでしょうか。

 

人間には到底真似できないサバイバル術です。

 

やがて采配蘭がギンリョウソウのように色素を失うとき、

 

地球は菌類によって再生へと向かっている途中にあるのかもしれないと、

 

気付かされる日が来るのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

采配蘭

 

ラン科サイハイラン属

 

 

 

北海道から本州、四国、九州の山地の林床に広く分布するも、

 

限られた保護区にのみ自生する種が多いです。

 

環境省のレッドデータブックでは、多くの都道府県で絶滅が危惧されており、

 

その姿は確実に目にする機会を失っている一方で、

 

新たな進化の過程により、

 

違う姿に生まれ変わろうとしている種でもあるのかもしれません。

 

 

 

それにしても、美しい植物です。

 

出会った瞬間の感動は、言葉では表すことができません。

 

皆さんも是非、野生ランに出会う小さな旅へ。

 

 

 

 

 

 

「Flora of Metal」

 

IDEE  MUJI銀座店分出展作品になります。

 

詳細はexhibitionページをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

春の妖精

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

桜が見頃となっております。

 

日差しも強くなり、過ごしやすくなりました。

 

 

 

春の短い間だけ花を咲かせる

 

スプリングエフェメラルと呼ばれる植物たちがいます。

 

春の妖精とも呼ばれています。

 

イチリンソウ属やカタクリなどが良く知られています。

 

ちょうど今ですね。

 

山麓の林床や林縁に群生しています。

 

 

 

今回の展覧会に二つのイチリンソウを制作しました。

 

左はアズマイチゲ、右はキクザキイチゲになります。

 

アズマイチゲは白花で葉を畳んだような姿をしています。

 

キクザキイチゲは青紫の花色で、

 

菊のような深く切れ込んだ葉をしています。

 

 

 

春の山麓でこの花たちに会うととても清々しく、

 

元気をもらえるような気がします。

 

山の生きものたちは今年も忙しくなりそうで、

 

にぎやかで楽しそうです。

 

 

 

 

「+106 x3」

 

会場:+106

 

会期:3月28日(土)〜4月12日(日) 11:00~18:00

 

4月6日(月)7日(火)8日(水)はお休みです

 

会場:香川県高松市屋島西町2453-20​ RENOWA YASHIMA 106号

 

tel:087-880-6900

 

https://www.plus106.net

 

 

 

 

今回は香川に向かうことができませんでした。

 

職務を全うできず申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

設営から何から何まで、

 

+106さんに大変なお手数を掛けてしまうことになりました。

 

そして、皆さまにお会いすることもできずに申し訳ございません。

 

展覧会に関しましては、28日(土)29日(日)はオープンいたしますが、

 

30日(月)以降につきましては、

 

+106さんのサイトか、instagramのページplus106をご覧下さい。

 

皆さまどうぞご無事で。

 

 

 

 

 

 

 

Fern

 

 

 

 

Fern

 

size: h587 w827 t44

 

左から島柔羊歯、鬼豆蔦、雉ノ雄羊歯、深山鋸羊歯、玉羊歯

 

 

 

 

 

島柔羊歯

 

 

 

 

雉ノ雄羊歯

 

 

 

 

深山鋸羊歯

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

画像はオーダーを受けていました5種類の羊歯植物を納めた大判サイズの作品です。

 

鬼豆蔦以外は羽状葉となっています。

 

特に中央の雉ノ雄羊歯と深山鋸羊歯は、細かな鋸歯葉があります。

 

雉ノ雄羊歯には胞子葉ソーラスもついていまして、

 

かなり難易度の高い羊歯が入っています。

 

鬼豆蔦を羽状葉の羊歯らしいものにするか悩みましたが、

 

ひとつはシンプルで羊歯らしくない方がいいのではと思いまして、

 

鬼豆蔦にしました。

 

鬼豆蔦は左の島柔羊歯同様、屋久島にしか自生していない大変希少な羊歯です。

 

共に絶滅危惧種IA類CR(野生絶滅寸前種)に指定されています。

 

古代から長い年月を生き延びてきた羊歯になりますので、

 

実にロマンがあっていいですね。

 

古来よりシダ植物は繁栄と長寿の象徴として親しまれてきました。

 

地上で初めて栄え、度重なる種の危機を乗り越えて、

 

今もなお進化を続けるシダ植物に敬意を込めて作りました。

 

少々入れ込み過ぎましたが、よく出来ました。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅花黄蓮

 

 

 

 

 

 

梅花黄蓮は牧野富太郎記念館のマークにもなっているように、

 

可憐な植物の象徴です。

 

困難な時代を生き抜き、小さな生命の輪廻のドラマに、

 

すべてを注いだ優しい眼差し。

 

この花を見かけると、牧野富太郎先生を思い浮かべます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅花黄蓮

 

キンポウゲ科オウレン属

 

本州福島以南、四国の深山、亜高山帯に自生

 

観察地:燕岳(長野県中房温泉より入山)

 

size:h282w282d44/2.2kg

 

自然礼賛 2019

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未草

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾瀬ヶ原の池塘に浮かぶヒツジグサ。

 

水面に映る空の青と樹々の緑が、白い花をより美しく見せていました。

 

水が反射するので、根幹を支えているものは遠目からは見えませんが、

 

近づくと透明な水の中には、幾重にも重なって根から伸びる葉柄が見えます。

 

ヒツジグサの容姿を間近で観察しましたが、

 

後日になって思い浮かべられるのは、自然の風景と解け合った姿でした。

 

自然に生きるものは、ひとつのものだけを切り取って思い浮かべることはできません。

 

青空に飛ぶ鳥も蝶も自然の風景とともに記憶されます。

 

尾瀬ケ原のヒツジグサが美しいのは、尾瀬のすべてが美しいからなのでしょう。

 

 

 

 

今回の自然礼賛展では、立体作品を4点制作しています。

 

ヒツジグサの立ち姿から、尾瀬ケ原の風景を思い浮かべていただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未草

 

Nymphaea tetragona Georgi

 

スイレン科スイレン属の水生植物

 

山地の沼や亜高山帯の高層湿原などに自生

 

観察池:尾瀬ヶ原(群馬県鳩待峠より入山)

 

size : h400 w330 d300

 

2019自然礼賛 出展作品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蔓立壺菫

 

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

今年は例年になく梅雨らしい梅雨となっております。

 

先週まで連日現場に入っていましたが、雨が毎日降る天気が続き、

 

少しでも止めば外での作業にとりかかり、降れば中での作業と、

 

日によって工程を変えながら何とか乗り切りました。

 

作業が少し残りましたが、オープンまでには納められる目処がついて、

 

ホッと一息つきたい今日この頃です。

 

 

 

画像は、今年の春に金沢のmina perhonenさんにて開催しました、

 

alpine plants展で出展したツルタチツボスミレになります。

 

昨年六本木のIDEEさんでの展に出展したニオイスミレと同じサイズのものでした。

 

スミレは小さいので、A4sizeでしか制作していませんでしたが、

 

地中でつながった株をトリミングせずに大きめのサイズのフレームに入れることで、

 

小さな花の新しい見え方を見つけることが出来ましたし、

 

どこかのびのびと見えるような気がしました。

 

一花の方が可憐さはありますが、これはこれで賑やかでいいなと思っています。

 

 

 

今月末7月27日(土)からの「自然礼賛」では、

 

このサイズでのスミレは1点、タカネスミレを制作中です。

 

高山の稜線上、頂上辺りの砂礫地に自生する黄色いスミレです。

 

他にA3でナガハシスミレ、A4でヒメスミレとオクタマスミレを出展する予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蔓立壺菫

 

ツルタチツボスミレ

 

スミレ科スミレ属

 

日本海側の標高1700Mくらいまでの亜高山帯に分布

 

観察地:鳥海山(山形県側の鉾立より入山)

 

size:A3Square h400w400

 

 

 

 

 

 

 

2019.4「alpine flora」出展作品

 

 

 

 

 

 

大山蓮華

 

 

 

 

 

 

 

たいへん清楚で気品があり、初風炉の茶花の代表的な大山蓮華。

 

深山でしか見られない花です。

 

やや下向きに咲く花の周りは芳香で満たされ、

 

清々しくみずみずしい初夏の薫りを感じさせてくれます。

 

僕が出会ったのは午前の遅い時間帯でしたので、

 

朝霧に浮かぶような幻想的な風景ではありませんでしたが、

 

樹々たちの隙間から注ぐ陽の光を浴びて、

 

真白の蕾も初々しく、また花期を過ぎた枯れ花も奥ゆかしく、

 

それぞれが新緑に映え、美しさを際立たせていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大山蓮華

 

Magnoria sieboldii ssp. japonica

 

モクレン科モクレン属の落葉広葉樹低木

 

 

 

関東以西の山地の林床部標高1000〜2000Mに自生する種です。

 

関東で有名なのは赤城山山麓にある赤城自然園、

 

関西ではその群落が国の天然記念物となっている大峰山、

 

九州も自生地が多く残っています。

 

他にも自生している株はいくつか存在し、各自治体が管理していますが、

 

盗掘が絶えず、個体数は減少の一途を辿っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大山蓮華(2017 自然礼賛)

 

 

 

 

 

 

 

木枠の雑草野草シリーズ

 

 

 

 

 

木枠の雑草野草シリーズ(2012)

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

5月のatelier gallery は無事会期を終えました。

 

ご来場くださいました皆さま、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

さて、初夏を迎えて道端や野原では、雑草や野草がぐんぐん成長しています。

 

以前は雑草野草を中心に、作品を制作していた時期がありました。

 

ヤマケイ出版の野草ハンドブックや柳さんの雑草ノートなどを片手に観察に出かけていました。

 

身近な植物も、よく見るととても複雑な作りをしていて、

 

技術的に未熟な自分には、かなりハードルが高ったことを覚えています。

 

額縁は2009年から鉄枠だけではなくて、木でも制作していました。

 

下地も左官ではなく、紙などをエイジングしていたりと、

 

今考えるとバリエーションも豊富でしたね。

 

その後2014年に「design of alpine 山の意匠」で、

 

小さな高山植物を制作した際にもいくつか木枠を用いましたが、

 

なんとなく木枠は雑草野草シリーズが合っているような気がして、

 

それからは作っていません。

 

毎年春が来て、オオイヌノフグリやタンポポ、ナガミヒナゲシやハルジオンが咲くようになると、

 

木枠の雑草野草シリーズを思い出して、

 

また作ってみようかなと一瞬その気にはなりますが、

 

なかなかタイミングが合わない今日この頃です。

 

 

 

 

 

 

 

 

犬雁足

 

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

新緑の季節を迎えました。

 

先日、丹沢山系の低山を2つ歩いてきました。

 

タチツボスミレやマルバスミレ、ニオイスミレ、ヒトリシズカ、

 

ヤマルリソウ、ヤマザクラ、そしてチゴユリなどが咲いていました。

 

新鮮な空気を目一杯いただいて、というと聞こえは良いのですが、

 

近郊の低山の樹林帯といえば、スギとヒノキばかり。。

 

都内では大丈夫でも、さすがに浴びるほどさらされるとグズグズになりますね。。

 

色とりどりの花が咲く中で、群を抜いて活況を呈していたのがシダ植物たちでした。

 

夏に向けてこれからグングン成長していく彼らとともに、

 

見上げる頭上の樹々たちの若芽も、益々緑鮮やかに映っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬雁足

 

Pentarhizidium orientale Hayata

 

シダ植物門オシダ科

 

A2size h587 w415 d44

 

2018年制作作品

 

 

 

 

 

 

先のforest floorに出展した作品です。

 

錆で覆われて消えてしまいましたが、葉芯だけでなく細かい葉脈も入れたり、

 

ソーラス(胞子葉)まで作ったりしましたので、随分と時間がかかってしまいました。

 

上代も今までで一番となってしまったため、非売にすることにしました。。

 

今月4月のatelier galleryで展示します。

 

今月新作は小判A4サイズの州浜草などをご用意しました。

 

お時間ございましたらお立ち寄り下さいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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