信濃金梅

 

 

 

 

 

キンポウゲ科に属するTrolliusは、

 

北半球の寒帯にかけて30種ほど生息しています。

 

日本では5種確認されています。

 

キンバイソウ、レブンキンバイ、ボタンキンバイ、チシマキンバイ、

 

そしてこのシナノキンバイです。

 

この花に良く似た種として知られるのがミヤマキンポウゲになります。

 

なかなか見分けがつかない人も多いのではないでしょうか。

 

 

 

trolliusは黄色く花弁のように見えるのは萼片でして、

 

枚数も5枚と決まっている訳ではありません。

 

シナノキンバイは5枚が一番多いとは思いますが、

 

6枚、7枚もかなりの株が見られますし、

 

9枚も見ましたし、10、11、13もです。

 

8枚もあるらしいですが、それは未だ確認できていません。

 

 

 

一方のミヤマキンポウゲですが、

 

こちらは同じキンポウゲ科でもラナンキュラスですので、

 

黄色いのは花弁で、基本5枚になります。

 

もちろんイレギュラーで6〜13枚まで見たことがあります。

 

 

 

昨年のIDEE TOKYOでの北アルプス展でのアンケートにて、

 

シナノキンバイが5枚ではなく、6枚だというご指摘がありました。

 

僕はイレギュラーな種が好きでして、

 

確率的に少数派を作りたいと思ってしまうもので、

 

今思えば5枚もひとつ入れておけば良かったかなと思いますが、

 

せっかくわざわざ重い荷物を背負って高い山に登っていくので、

 

自分の目で見て印象に残った種を作りたいなと。

 

そうなるとどうしてもより希少なものへとなってしまうのです。

 

5枚ではなく6枚だけ作ったのは、そういった理由がありました。

 

 

 

ただ、5枚しか見たことがないとのことでしたが、

 

僕は北アルプスで何百何千のシナノキンバイの株を見てきた中で、

 

5枚しか見当たらない群落を見かけたことがありません。

 

Trollius hondoensis Nakaiのキンバイソウは基本5枚萼片で、

 

イレギュラーは数えるほどしか見たことがありませんので、

 

おそらくこのキンバイソウか、ミヤマキンポウゲと間違われたのかなと思います。

 

保育社から出版されている武田久吉先生著の高山植物図鑑および、

 

清水建美先生著の新高山植物図鑑などなど、

 

ほぼすべての資料に5枚〜7枚または9枚と明記されておりますので、

 

是非是非ご確認下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信濃金梅

 

Trollius japonicus Miq.

 

キンポウゲ科キンバイソウ属

 

北海道から中部地方の高山帯に分布

 

雪渓の草原などに自生

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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