26th TARO Award
こんにちは。
TARO賞を観に行ってきました。
過去にないくらい印象的なTARO賞でした。
今年は太郎賞敏子賞の該当者が選ばれませんでした。
これはなかなか珍しいことです。
この賞に携わってこられた方々にとっては、
それだけ特別な思い入れのある賞ということを、
改めて感じる出来事でした。
美術紙などによると、長引くコロナ渦の影響が出ているのではないかと。
就業環境の悪化やアートマーケットの需要の冷え込みなどなど、
さすがにもうコロナ渦も4年目ということで、
かなり体力を消耗させられているというのが、
今回のTARO賞の元気のなさの原因だそうです。
アーティストを目指す人だけではなく、
アーティストを維持する人にとっても、
厳しくも長い冬といえるのかもしれません。
アートマーケットには百貨店だけではなく、
様々な業種の企業が参入し始め、
コロナ前からかなりの活況を見せていましたし、
コロナ渦でもアートフェアの来場者や売上げが、
最多を更新したというニュースがあったように記憶していましたが、
実情はマーケット全体がそこまで潤っているかどうかといったところでしょうか。
人気のあるアーティスト、大御所の方々などに偏っていて、
それ以外の大半の作家が、未来への夢や、
モチベーションを持ち続けられない状況なのかもしれないです。
そんな市場操作の介入ができない場所には、
何か心が安らぐ、清らかさがありますね。
たとえパワー不足と揶揄され、
大きな賞を与えられなかったとしても、
僕にはすべての作品が価値のあるものに見えました。
ボリュームに重きを置く傾向というのはあるかと思いますので、
元気がないといえば、その視点からですとそうなのかもしれませんが、
良いなと思う作品は、例年通りくらい見ることができました。
その時代の動き、のようなものをダイレクトに感じられるのは、
こういったTARO賞のような、
剥き出しの実像があるからなのかもしれません。