時禱
御嶽より望む久高島
こんにちは。
雨が多かった10月でしたが、気づけばもうすぐ11月です。
沖縄では立冬の吉日にタントゥイという儀礼を行う頃となります。
11月6日より、八雲茶寮さんにて高里の個展が開催されます。
「時禱」という題目で、祈りの時を描いた抽象絵画作品を出展します。
高里のルーツである沖縄の祈り。
沖縄は古代から、自然とともに生き、自然を敬い、
石や樹々などの自然物に神の存在を見出してきました。
王朝時代になると寺院が建立され始め、
廃藩置県後にはキリスト教が布教され、様々な信仰が混ざり合いますが、
人々の自然を敬う心は変わらずに受け継がれてきました。
自然のように許容する心を持ち合わせた、沖縄の風土が育んだと言えるかもしれません。
高里が生まれ育った首里という土地は、数多くの御嶽や拝所があり、
王朝があったことで数多くの寺院があり、
教会も首里教会、カトリック教会、アンデレ教会などがあります。
幼い頃からお正月にはお寺にお参りに行き、日曜日には礼拝、
そして毎朝火の神さまに手を合わせるといった日常を過ごしていました。
僕らが二十代の前半くらいまでは、手の甲や腕に刺青のあるおばあさんたちが、
御嶽や拝所でビジュルに祈りを捧げている姿を良く見かけましたし、
何もないような森の中や道端の樹の根に祈る姿も見られました。
ハンタン山のガジュマルや金城の大アカギ、弁ケ嶽など、
昔から変わらず、いつでも誰でも祈りを捧げることができる神聖な場所がたくさん残っています。
本展は、高里自身の祈りの記憶、そして受け継がれてきた祭祀の原風景となります。
お時間ございましたら是非ご高覧下さいませ。
高里千世 個展
「時禱」
会期:2019年11月6日(金)〜30日(土) 9時〜17時 日曜祝日休業
会場:八雲茶寮 目黒区八雲3-4-7