未草
尾瀬ヶ原の池塘に浮かぶヒツジグサ。
水面に映る空の青と樹々の緑が、白い花をより美しく見せていました。
水が反射するので、根幹を支えているものは遠目からは見えませんが、
近づくと透明な水の中には、幾重にも重なって根から伸びる葉柄が見えます。
ヒツジグサの容姿を間近で観察しましたが、
後日になって思い浮かべられるのは、自然の風景と解け合った姿でした。
自然に生きるものは、ひとつのものだけを切り取って思い浮かべることはできません。
青空に飛ぶ鳥も蝶も自然の風景とともに記憶されます。
尾瀬ケ原のヒツジグサが美しいのは、尾瀬のすべてが美しいからなのでしょう。
今回の自然礼賛展では、立体作品を4点制作しています。
ヒツジグサの立ち姿から、尾瀬ケ原の風景を思い浮かべていただけたら幸いです。
未草
Nymphaea tetragona Georgi
スイレン科スイレン属の水生植物
山地の沼や亜高山帯の高層湿原などに自生
観察池:尾瀬ヶ原(群馬県鳩待峠より入山)
size : h400 w330 d300
2019自然礼賛 出展作品