白馬岳
2018年の夏は北アルプスの白馬岳に登りました。
山紫陽花に迎えられた林道では、四葉のクローバーを探しながら歩き、
衣笠草をはじめとする希少な植物を観察しながら沢を遡上して、
長い長い大雪渓ではアイゼンを効かせながら雪の中を登り、
お花畑では深山蒲公英、兎菊、車百合、金梅草、高嶺撫子、岩桔梗など、
百花繚乱の高山植物たちに感動してスケッチに時間をかけ過ぎてしまい、
日が暮れ始めた頃に稜線に辿り着きました。
ちょうどその日は白馬山荘でコンサートが開催されていて、
食事をしながら音楽とともにサンセットを迎え、贅沢な時間を過ごしました。
宴が終わる頃には夜空に上弦の月が輝き、
照らされた山々がとても綺麗でした。
夜明け前はいつもよりもずっとあたたかく風も穏やかで、
うすらいでゆく星々をゆっくりと眺めていました。
明るくなってから動き出したせいでご来光は拝めませんでしたが、
赤く染まる剣岳と、霞に浮かび上がる信州の山々を眺めながら山頂に立ちました。
下山は北側の稜線に向かい、小蓮華山から白馬大池を経由して栂池に下りました。
稜線では駒草や高嶺薄雪草、深山東菊などの高山植物がたくさん咲いていました。
大池周辺には岩銀杏、菖蒲、小梅蕙草に山母子、御前橘、
栂池に下るまでもたくさんの植物たちを見ることができました。
2018年の白馬岳は、忘れられない山旅になりました。
この山旅で出会った植物たちは100種あまり。
制作するのが楽しみです。