舞鶴草
青と白と黒の3色の羽根が、岩陰に咲く舞鶴草のそばに落ちていた。
山路で出会う鳥たちの落とした羽根に、僕が心を動かされるのは、
それらが容易に触れることのできない山の自然の一部で、
滅多に接触できない野生からの生の便りのように思えるからである。
たとえ小さくても、その中には奥深い山の造詣が凝縮され、
記録されているかのように思えるからである。
一の沢を下りる途中で休憩をしていると、
この羽根と同じカケスが常念に向かって飛んでいくのが見えた。
自然から受け取った便りを眺めながら、
また来年も山の友人たちに会えるのを楽しみに帰路に着いた。
Maianthemun dilatatum Nels et. Macb var. nipponicum Hiyama
舞鶴草
ユリ科マイヅルソウ属
size:w200 h285 t44
霧の多い山域の林床部に多く見られると書かれていることが多いのですが、
林床から外れた岩かげに自生しているのをより多く見かけているような気がします。
また、チゴユリと生態が似ているとも書かれていることが多いのですが、
チゴユリは丹沢山塊の標高400Mほどでも自生していますが、
マイヅルソウは南アルプスでも1000Mを越えないと見られません。
この花のように自然に生きるものたちは、机上では判断できない種が圧倒的に多いです。
Garrulus grandarius L.
懸巣
スズメ目カラス科カケス属
六本木ミッドタウンのIDÉEさんで開催中の「Flora of Tystnad モリソン小林 植物記」。
10月12日から11月5日までという、長い会期もあと一週間となりました。
会場は六本木ミッドタウンガレリア3階、11:00〜20:00まで開いています。
駅とつながっていますので、アクセスはとても良いかと思います。
今展では作品ひとつひとつにテキストを添付しています。
新たに変わった植物たちの表情とご一緒にご高覧下さいませ。