パリッと感

hydrangea

 

山紫陽花(2013)

 

 

 

 

皆さんこんにちは。

 

梅雨がなかなか明けないですが、

 

この時期は、錆びが一番きれいに出る季節です。

 

 

 

写真は2013年carafeさんでの「fragments」に出展した山紫陽花です。

 

この作品は大きな転機となったものです。

 

それは、葉っぱのパリッと感です。

 

そうです、枯れたあの感じです。

 

写真でも実感してもらえるでしょうか。。

 

これは本当に嬉しかったです。

 

化学反応のレシピは取れたんですが、

 

未だに10回くらい試みて3回できたら良いくらいのものです。

 

それでも、実現までこぎつけた達成感というものは何とも形容しがたいです。

 

 

 

錆びは、表面が電子を失ってイオン化して、

 

脱落していくことで進行していくものです。

 

僕が作品で行なっているのは、この腐食作用を増大させながら、

 

緻密な酸化鉄を形成して不動態皮膜で覆い、

 

顔料によって安定した状態へ移行させるというものです。

 

しかし顔料のpHによってはオキシ水酸化鉄の状態になるものもあって、

 

定着せずに、ある期間が過ぎればポロポロと剥離してしまいます。

 

安定させて定着させる、

 

これが出来れば、パリッとした感じを出すことが出来ます。

 

顔料によってはよく調べてから安全なものを使用しないと危険です。

 

しっかりとした予備知識と防護環境が備わっていないと難しい作業です。

 

だいぶコントロールできるようになりましたが、

 

独特な色合いを出すのは地味に大変です。

 

もう少し踏み込んでいけば、と思うこともありますが、

 

今のところの状況ではちょっと難しいかなと思います。

 

今後の課題ですね。

 

 

 

先日ご紹介した、代官山のminä perhonenさんで制作した、

 

天井から吊ってあるハンガーのマグノリアの枝葉は、

 

山紫陽花に近いレシピで制作しています。

 

立体でなければ、山紫陽花と同じようなパリッと感が出たと思いますが、

 

破損してしまうので、反応を短めにして終わらせています。

 

ビリジアンや酸化クロムの量が少し多かったからなのか、

 

フタロシアニングリーンの方が良かったのかはまだ不明ですが、

 

あともう少し時間をかけても良かったかなとも思いました。

 

そのあと少しが一番難しいところなのかもしれません。

 

 

 

 

さて、長々とマニアックな話しにお付き合いいただきましてありがとうございました。

 

atelier galleryではバルコニーの睡蓮が咲きました。

 

皆さまどうぞ睡蓮のように清らかにお過ごしください。

 

 

 

 

 

lotus

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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