循環の思想を尋ねて
西洋で循環の思想を感じられる場所へ
鉛色の空の中、延々と続く牧草地帯を抜けると現れるstonehenge。
そこには、古代に息づいていた循環の思想が残っていました。
西洋世界で興った近代思想は、
世界の中心に人間の自我を置き、自然を相反する客観と考え、
その自然を支配し、人間の生活を豊かにすることを考える思想です。
しかし、古代までの人間は自然のあらゆるもの、
動物や植物に限らず山や川、岩や天体の星々たちと共生していこうとする思想でした。
そしてそれは、すべてのものが生まれ変わり循環していくという
永劫回帰という思想から生まれたものです。
僕は新しいものを創造し建造する文明は好きです。
現在もそしてこれからも、この仕事に従事し続けたいと思っています。
ただし、自分たちを生んだこの自然を感じられるままに、
共生していける文明に自分を捧げたいと考えています。
このstonehengeを前にして、溢れてくる大地の息吹とその鼓動を感じ、
無限で強大に感じられる父であり母である自然が、
人間と同じように限りあるものであるということを、
辺りを埋め尽くしていたであろう、深い森の残像とともに感じていました。