フリオ・ゴンザレス
「幾世紀の昔、鉄の時代は、そのなかのいくつかはとても美しい武器を生みだしながら始まった。
今日、それは鉄道の建設を可能にしている。
鉄が死をもたらす存在であること。そして過剰な機械科学の単なる手段であることをやめる時が来た。
ついに、芸術家の平和な手によって叩かれ鍛えられるための扉がこの物質に開かれるのだ。」
スペインが生んだ鉄彫刻の父と呼ばれるフリオ・ゴンザレス。
観に行きたくて行けない、近いのに遠いという悶々とした日々を過ごしていましたが、
ようやく行けました。。
本当に良かった。。
本当に素晴らしかったです。。
フリオ・ゴンザレスは、デビッド・スミスやアンソニー・カロをはじめ、
鉄という素材を主体としている多くの彫刻家たちに多大な影響を与えました。
当然、僕も鉄で彫刻していますので大変敬愛しています。
彼はもともと金工職人の父親を継いで、装飾品を制作していました。
真鍮や銅を主としていたようですが、鉄でも花を制作しています。
今回はその菊の花も展示されていました。
会場には叩き出しのレリーフやエングレービングの作品をはじめ、
ブロンズ鋳造の作品もありました。
その中でもやはり代表作の「ダフネ」をはじめとする鉄の作品は、
空間を支配するほどの鮮烈な世界観を解き放っていました。
冒頭の言葉がすべてかもしれません。
ああいった大変な時代を生きたからこそ、
素晴らしい作品たちが生まれたのだと思いました。
僕もこれからも鉄を愛し、学び、鉄の表現の可能性を見続けていきたいと、
フリオ・ゴンザレスの作品の前で、改めて思いました。
すみません、会期は日曜まででもうすぐ終了です。。
お時間ございましたら必見です。
日本で観られるのは30年に1回くらいだそうです。。
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