「Poems to Poets 詩人たちへの詩」

 

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「老齢」モリソン小林

 

 

 

 

 

 

今まで吹いていた風が止むと、海は静かになる。

 

それと同じで、激情が収まると、人間も穏やかになる。

 

結局無意味になるのが分かりきっているのに、

 

くだらないことを自慢していた自分の空しさが、

 

歳をとってやっと分かってくる。

 

若い時には、自惚れに眼が曇り、

 

つい見落としていたものごとの儚さが、

 

老人になってやっと分かってくるのだ。

 

 

 

エドマンド・ウォラー「老齢」より

 

 

 

 

 

 

 

carafeさんで開催させていただいている「Poems to Poets 詩人たちへの詩」。

 

会期は終盤に入りまして、27日(日)までの2日間となりました。

 

 

 

carafeさんでは今回で3回目ということで、初めて、彫刻と絵画展というかたちにしました。

 

小振りな作品が主体ではありますが、その分作品の存在感が出過ぎないため、

 

詩人たちの詩の世界観を、うまく表現できているのではないかと思っています。

 

 

 

 

 

 

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「The Old age(老齢)」高里千世

 

 

 

 

 

 

この「老齢」という詩はおよそ400年前に書かれた、

 

神の御許に近づく人間への詩です。

 

魂を覆っている肉体が朽ちてゆくと、

 

人間というものは弱くなってさらに強くなり賢くなり、

 

新しい世界への入り口に立つに及んで、

 

ようやく両方の世界が同時に見えてくるという詩です。

 

 

 

僕ももちろん共感できたからこそ彫ったんですが、

 

こういうことを若いときに気づくことができる人が、

 

年月を重ねることの大切さを理解できるのだと感じます。

 

自分中心でものごとを考えていくと、

 

自分の弱さだけではなく、ストロングポイントまで分からなくなってしまいます。

 

耐え続けることができなくなってしまうのは、

 

魂を覆っているものの実態が見えないからなのかもしれません。

 

生があるうちは飛んでいくことはできない、

 

天使になることは誰もできないのだから、

 

人間は前だけを見続けて生きていくことはできないのでしょう。

 

「老齢」とは、単に歳を多く重ねたことを意味するのではなく、

 

古い世界と新しい世界の両方を同時に見ることができるようになる齢なのだと思います。

 

自分の弱さを理解できるようになる頃が老齢であり、

 

若くして老齢を知るということは、何よりも難しいことなのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

「Poems to Poets 詩人たちへの詩」

 

モリソン小林と高里千世の二人展

 

会期:2015年9月12(土)〜27(日)11:00〜19:00  ※水・木は定休日

 

会場:carafe 名古屋市天白区鴻巣1-706 052-847-0509

 

詳しくは下記をご覧ください。

 

http://www.carafe-jp.com

 

http://www.carafediary.com

 

 

 

 

 

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だいちゃんとすっかり仲良くなったみーちゃんです。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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