戦後70年
日が傾き始めてから夜になるまでの間、
首里の街を散策するのが好きです。
カトリック教会から瑞泉の前を通って金城町から首里城へ、
守礼門からアンデレ教会に下りて池端へ、
龍潭池を眺めながら県立博物館を過ぎて首里教会へ。
時間があれば久場川のりうぼうまで歩きました。
その頃にはすっかり夜になっていますが、
そこから汀良町を過ぎて家まで歩く道は、
南部からの風が心地よくて、
いつも清々しい気持ちになります。
1945年5月。
首里城に日本軍の司令部が置かれ地上戦が始まると、
それまで攻撃を避けられていた首里城も、
守礼門や円覚寺なども含めて、
すべて消失してしまいました。
焼き尽くされた町に残ったのは、
傷ついたアカギやガジュマルなどの樹々と、
無数の瓦礫だけだったそうです。
今でも首里の町を歩くと、
守礼門前のヤシの木をはじめ、
町に残る古い石垣などに、
多くの銃痕を見ることができます。
戦後70年。
ここで暮らしていた先人たちのことを想うと、言葉になりません。
平和であり続けることの難しさと尊さを実感しながら、
南風薫る故郷を想う、今日という日です。