ソフィーの世界 Ⅱ
先日もご紹介しましたが、ソフィーのブランドCVM PATIENTIA(クンパシエンシア)のラシンヌ展が、
中目黒は青葉台のGEODESIQUEにて行われています。
今回のラシンヌ展ではいくつかのテーマを持った作品がそれぞれ並んでいます。
この人形の顔のパーツが組み込まれたMÉDITATIONは、
天体が広がる大宇宙と、僕らの小宇宙との関係が不思議世界の連続によって、
いくつもの宇宙へと思考を巡らせるという、ソフィーならではの独特の魔法をもつ世界観です。
ソフィーはリヨン工科大学を卒業して、コスメティック企業のプロダクトデザイナーになりました。
繰り返される日常の中で、自らの手でものを生み出すことへの渇望に向き合い職を辞して、
ビジューという表現手段を選んで、AFEDAPジュエリー学校に通うことになります。
そしてGEODESIQUEと出会い、インターンとして日本で数ヶ月学んで、
ビジューとしてのコンテンポラリーアートの表現の礎を築いたのでした。
独自の哲学や思想をもっている彼女は、ひとつの作品に込められた背景や意味を、
しっかりと説明することができます。
ひとつひとつの話に感心させられていたぼくの奥さんは帰った後に、
「ソフィーは私と同じでスラッとした美しい容姿をしているわけでもないし、
髪の毛も後ろでただ束ねているだけだし、マニキュアも薬指にちょこっとだけ残っているだけなんだけど、
とても素晴しくて素敵に見えた。」と言っていました。
作品として形にいていく上で大切なことは、既成の形を追うのではなくて、
ある事象に気付いて感じたものを、自分の哲学や思想に基づいて、
何かを伝えられるように具象化して表現するということだと思っています。
それは小説家であれ、彫刻家であれ、陶芸家であれ、
独自の世界観、表現方法を会得しているひとの作品には、必ず内在していて感じられるものだと思います。
ソフィーの作品を見て、彼女の思想に耳を傾けると、
改めて、自分らしくあるために必要なエレメントは何かを、
見つけることができるような気がします。
CVM PATIENTIA(クン・パシエンシア)/ Sophie Robbe
『ラシンヌ展』
会場:GEODESIQUE 目黒区青葉台2-16-7 03-6415-7488
会期:2013年5月1(水)〜31(水)13時〜19時 ※月曜定休
http://www.geodesique.co.jp/index.php