ヒツジグサ
皆さんの爆笑を誘った大ちゃんの送迎車は、まさかの大盛況のうちに無事終了しました。
ご乗車された命知らずの方々、つき合っていただいてどうもありがとうございました。
展示会は後半へとさしかかってきました。あと一週間、どうぞよろしくお願いします。
昨年、コウホネという水生植物を制作しましたが、今回はヒツジグサを制作しました。
ヒツジグサはコウホネ同様、近年急速に減少し続けている、日本に自生している数少ない水生植物です。
その名の通り、未の刻(午後1〜3時)に開くので、この名前がついた花です。
この花は、小さなため池や湿原の中の池や沼に生育するようで、大きな池や湖では見られません。
ヒツジグサの水中葉は、雑食性の魚に食べられてしまうため、鯉などが放されているところでは、
冬期の餌不足の時期に、すべて食い尽くされてしまうので、どんどん生息域が狭まっています。
工房の近くの森林公園の中の池にも生息していたようですが、
鯉の放流とともに、姿を消してしまったそうです。
それにしても、この花は清楚でとてもきれいです。
梅雨の雨が一息ついた夕暮れ時の、濁った水面に浮かぶこの花を見た時には、
その声はとても澄んでいて、その視線はとてもピュアに感じられると思います。
ヒツジグサ
学名:nympaea tetragona
スイレン科スイレン属の水生多年草
日本に自生する植物が、一回り小さくて清楚に見えるのはどうしてなんでしょう。
そして、違う何かが入って来たら、どうしてなくなっていってしまうんでしょうか。
どうやら日本にある美しさというものは、
奥が深すぎて、切なくなることが多いようです。