The future has been here forever
太古の生物が、氷の中に閉じ込められたまま、今もこの極地のどこかに埋もれています。
自然的に氷の世界に閉じ込められてしまったものが大半を占めますが、
人為的に冷凍された生き物も少なくありません。
現在も北緯度にある博物館などで見られますが、その歴史はとても長く、
有史以前から氷の中に生物を、食用のみならず、観賞用にも保存をしていたそうです。
1869年にアメリカで開発されたセルロイドから始まったplastics(合成樹脂)ですが、
腐食しにくい利点の代わりに、廃棄処理しづらいという欠点を持つために、
環境問題が顕在化する現在では、元の油に戻せる新しい樹脂が開発され、
環境に配慮されたアクリルや新しい樹脂が使用されていますが、
90年代以前に生産された大量の樹脂を廃棄するための術は、
豊かな先進国では問題なく処理できていますが、貧しい途上国では、
消却して大気汚染をするか、埋めるしか無い状況が続いているようです。
遠い将来、温暖化が進んだ地球で人類が発見するのは、氷に埋もれた生物ではなく、
樹脂の中に同化した生物なのかもしれません。
そんなことを考えながら制作してみました。
冒頭のタイトルは、この樹脂のシリーズの作品のタイトルです。
「未来はずっとここにあった」、そんな感じです。
樹脂を本格的に扱ったのは、作品では初めてでした。
『ケミカル展』のケミカルに対しての、
直球勝負みたいなものですね。
写真はスノーフレークになります。
すべて違う植物で、5点ほど出展する予定です。
さすが樹脂です。落としても壊れない、
耐震設計になっております。